2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23390365
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
黒坂 昌弘 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70170115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 知之 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (50546588)
松下 雄彦 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (40467650)
黒田 良祐 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80379362)
久保 晴司 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (30452494)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 再生医療 / 前十字靭帯 / 幹細胞 |
Research Abstract |
幹細胞を基盤とした再生医療応用の視点から、平成23年度はラット、イヌの動物前十字靭帯(ACL)再建モデルを用いてその有効性を確認した。当該年度は膝前十字靭帯損傷組織における細胞群の幹細胞の特性を詳細に解析・確認することを目標としていた。 まず、年齢によるその特性の差異について検討した。ACL再建術中に採取したACL remnant 28例を対象とし、10歳代10例、20歳代10例、30歳代以降8例の3群に分けて比較検討した。組織免疫染色では10代で多くのCD34陽性細胞が確認された。30代以降の細胞群は10代の細胞群に比較して有意に低い増殖能・FACSでのCD34陽性率を示した(p<0.05)。また、3群ともに骨・血管内皮・軟骨・脂肪分化の多分化能を有し、骨分化能(ALP活性、ALP・Osteocalcin・Runk2発現量、Arizarin red染色)、血管内皮分化能(Tube Length、VE-cadherin発現量、acLDL/UEA1染色)において、30代以降の細胞群は10代の細胞群と比較して有意な低下が認められ(p<0.05)、年齢が高くなるほど低下する傾向がみられた。これらの結果より、損傷ACL組織は、高い増殖能・多分化能を有する細胞群を備えているが、年齢が高くなるほどその細胞群が減少している可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度はラット、イヌの動物前十字靭帯(ACL)再建モデルを用いてその有効性を確認、当該年度は膝前十字靭帯損傷組織における細胞群の幹細胞の特性を詳細に解析・確認することを目標としていたが、in vivo、in vitro両実験においても仮設を裏付ける結果が得られ、平成25年度実施予定の臨床試験への前臨床試験となった。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度までの計画は順調に進行しており、最終年度である25年度には「前十字靱帯損傷患者に対する自家損傷部組織を併用した前十字靱帯再建術の第I/II相臨床試験」を行い、その新規治療法の安全性・有効性を確認することを目標としている。実際、臨床試験のプロトコル作成、大学病院での倫理委員会の承認もすでに得て、臨床試験はすでに開始されている。今後は症例を積み重ね、有効性評価を行うことを目的とする。
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