2011 Fiscal Year Annual Research Report
両側同時経頭蓋イメージングを用いた新たな聴覚野機能の解明
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23390395
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高橋 姿 新潟大学, 医歯学系, 教授 (10154824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 邦行 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40452057)
窪田 和 新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (40547593)
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Keywords | 両耳聴 / フラビン蛋白蛍光 / 大脳聴覚野 / マウス |
Research Abstract |
左右の耳からの情報は聴覚伝導路で統合、処理される。言語の処理における左半球優位性のように、大脳聴覚野では左右の機能分担が存在することがわかっている。このような、聴覚野における機能分化は、聴覚という感覚系の進化において、有利で効率のよいシステムとして成立したものであると思われ、その解明はよりよい補聴理論の開発など臨床上も有用であると予想される。そこでわれわれは、両耳同時に刺激ができ、かつ両側同時に大脳聴覚野の測定ができる装置を構築することとした。 大脳聴覚野は側頭部に位置するため、これまでわれわれが行ってきたフラビン蛋白蛍光測定装置のように顕微鏡が垂直にある装置で聴覚野の反応を測定する場合、マウスを側臥位に近い体位で固定する必要があった。側臥位の場合、同時に両耳を刺激することは不可能であった。そこで本年度はマウスを自然に近い腹臥位で固定し、水平方向から測定するシステム、両耳別に刺激を与えることができるシステムを構築した。本実験システムでは、マウスの固定具、スピーカーの調整、顕微鏡、イメージング解析装置の配置などを、最適な状態に築き上げるため、一からデザインし直したため、多くの時間を費やした。現在、いままで使用していた音(純音、AM音、FM音)を両耳別々に提示し、その反応を両側聴覚野から同時に測定、過去のデータと検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで垂直方向から測定していた実績を踏まえ、垂直方向から測定できる装置を開発するできることは容易に予想されたため、それに合わせた細かい装置の調整を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで行ってきた音刺激法ではマウス前方のスピーカーからの刺激であったため、両耳にどのくらい負荷がかかった結果の反応であったのか不明であった。そこで、今回構築したフラビン蛋白蛍光イメージング装置を用いて、マウス用の小さなコンデンサスピーカーから、片耳ごと別々に音刺激を行うことができるようになった。まずは過去に用いてきた刺激音を左右耳別に提示することで、左右の聴覚野別の反応の違いを確認する。その後、雑音負荷などを行った上での片耳聴、両耳聴の効果について探る。
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Research Products
(3 results)