2012 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質再石灰化・再生技術を基盤とした新規う蝕治療法の開発
Project/Area Number |
23390436
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
斎藤 隆史 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40265070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
半田 慶介 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (40433429)
伊藤 修一 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (50382495)
別所 和久 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90229138)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 象牙質再石灰化 / 修復象牙質形成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、石灰化誘導性接着性モノマーCMETあるいは象牙質誘導性フォスフォフォリン部分ペプチドの再石灰化促進作用および歯髄細胞から象牙芽細胞への分化誘導活性について検討して、効果的な齲蝕治療材料を開発するための知見を得ることである。 本年度の研究では、まず、フォスフォフォリン部分ペプチドの象牙芽細胞の分化・石灰化への影響について検討した。さらに、フォスフォフォリン部分ペプチドのラット修復象牙質誘導活性について検討を加えた。象牙芽細胞としてミシガン大学から入手したMouse Dentin Papilla Cells-23 (MDPC-23)を用いた。0.1μg/ml, 1μg/mlのフォスフォフォリン部分ペプチド(RGD-1, RGD-2, RGD-3)をDMEM+10% FBSに添加して、MDPC-23に対する刺激実験を行った。その結果、フォスフォフォリン部分ペプチドは増殖には影響を与えなかったが、ALPase活性を上昇させ、RT-PCRではDentin Matrix Protein-1 (DMP-1), Dentin Sialophosphoprotein (DSPP)等のmRNA発現を促進した。さらにフォスフォフォリン部分ペプチドは石灰化を誘導することが明らかになった。また、フォスフォフォリン部分ペプチド(RGD-1, RGD-2)によるラット修復象牙質誘導を検討したところ、覆髄後、2週、3週で、コントロールとして用いた水酸化カルシウム製剤の結果と比較して、緻密な修復象牙質が誘導されることが明らかになった。 以上の結果から、フォスフォフォリン部分ペプチドは象牙芽細胞の分化・石灰化を誘導して、良質な修復象牙質形成を誘導する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、象牙芽細胞様細胞であるMDPC-23を用いてフォスフォフォリン部分ペプチドの活性を確認することができたこと、フォスフォフォリン部分ペプチドにより誘導された修復象牙質の観察ができたことなど、ある一定の結果を得ているため、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらに、石灰化誘導性接着性モノマーCMETあるいは象牙質誘導性フォスフォフォリン部分ペプチドの活性を確認し、効果的な齲蝕治療材料の試作を行いたいと考える。
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Research Products
(12 results)