2011 Fiscal Year Annual Research Report
骨芽細胞と破骨細胞の賦活化により新生骨との完全置換を促す骨代替材料の開発
Project/Area Number |
23390450
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 治 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (60374948)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井樋 栄二 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80193465)
鎌倉 慎治 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (80224640)
穴田 貴久 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30398466)
|
Keywords | リン酸オクタカルシウム(OCP) / ゼラチン / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 骨再生 |
Research Abstract |
開始年度である平成23年度は材料の開発に着手した.異なる結晶性状を持つOCPの調整のため,まず確立済みの50℃以上,pH一定下の湿式合成法(Suzuki et al.Tohoku J Exp Med 1991)で行った.この方法を基本として,OCPを含むOCP/Gel複合体の直接沈殿の検討,乾燥沈殿物をミルにてナノサイズまで機械破砕した後Ge1に分散する方法の検討を行った.OCP/Gel複合体の直接沈殿では,OCP含有量がwtで0%~約50%となるような材料を得た.結晶相の同定を今年度の申請設備であるリートベルト解析が可能な卓上X線回折装置の導入により,OCP結晶の格子定数の精密化の解析に着手した.また,OCP結晶含有量とGelのアミドの割合を定性的にFTIRにより解析した.結晶の形態をSEMにて,水銀圧入法によってマクロポアを評価した.ナノ結晶分散の複合体についても同様に検討した.これらの分析からOCP/Gel複合体中の結晶はGelとの混合比によらず単一結晶相を示すこと,一方,ナノ結晶では分散量によってGe1のマクロポア構造が調節を受けることがわかった.OCPおよびOCP/Gelのin vivo評価にも着手した。ラット頭蓋冠の臨界径骨欠損にOCP/Ge1のディスクを埋入し,一定期間経過後の標本について軟X線による不透過像の上昇の有無を検討し,直接沈殿で得たOCP/Gel複合体については良好な骨形成が生じている様子が得られ始めた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基盤となる材料のプロトタイプが予備検討ながら良好な生体親和性を示すことが確認できたことから,おおむね順調に進展していると判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
生体内における材料吸収性は長期の検討が必要であることから,in vivoの試験においては長期埋入向けの実験から着手している.同時にin vitroにおける材料の物理化学的溶解も早めに見極め,材料開発の評価と作製のループへ反映できるように務める.
|