2011 Fiscal Year Annual Research Report
癌の骨破壊病変に対する新規angiogenin阻害剤による分子標的治療の開発
Project/Area Number |
23390463
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐々木 朗 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00170663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸本 晃治 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40243480)
志茂 剛 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (40362991)
伊原木 聰一郎 岡山大学, 岡山大学病院, 助教 (80549866)
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Keywords | 血管新生因子 / angiogenin / 骨吸収 / 骨破壊 / 癌 / 破骨細胞 / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
癌の骨浸潤・骨破壊には,破骨細胞性骨吸収が重要な役割を果たす。申請者は,癌細胞に発現する血管新生因子angiogenin(ANG)を分子標的としたANG選択的阻害薬の癌の骨浸潤,骨破壊の治療法の臨床応用を目的に研究を計画した。本年度は,ANG-1ノックアウトマウス(ANG-KOマウス)を作製し,骨代謝系でのANGの分子制御機構の解析,KOマウスならびに野生型マウスの分離細胞の骨関連因子の応答遺伝子の解析研究を開始した。 1)ANG-KOマウスの作製と形質発現 ANG-KOマウスを作製し成長過程における変化を観察した。骨格成長には影響は認めなかった。また長期間の経時的な骨格のサンプリングを行っており,24年度にCT,組織学的解析を計画している。 2)5週齢のANG-KOマウスならびにwild type(WT)マウスの大腿骨骨髄細胞,脾細胞を採取し,骨髄細胞は1α25(OH)2D3存在下で培養し,脾細胞はreceptor activator of NF-κB ligand(RANKL),macrophage-colony stimulating factor(M-CSF)存在下で培養し破骨細胞形成能を評価した。さらにANGの作用を検討した。骨髄細胞を用いた破骨細胞形成系では,ANG-KO群はWT群と比較して破骨細胞数の減少を認めた。骨髄間質細胞が共存しない脾細胞を用いた系でも,破骨細胞形成がANG-KO群ではWT群と比較して抑制された。脾細胞実験系ではANG添加により破骨細胞形成の回復が認められたが,骨髄細胞培養系では回復は認めなかった。ANGは破骨細胞形成に重要な役割を果たすことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ノックアウトマウスの作製が実験開始当初に遅れたため,サンプル数が揃わないなど動物での解析がやや遅れいてる。すでに作製については解決されており,サンプリングも順調であり、今後の計画への支障は無い。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのsiRNA等を用いて行ってきた研究成果と同様に,本研究ではANGが破骨細胞形成に重要であるという結果が,ノックアウトマウスでも証明がなされた。平成23年度の遺伝子検索に関しては、3年間の予定であり,既に解析準備が進行中である。今後は計画通りANG阻害剤を用いてより臨床的な観点からの治療的アプローチを展開してゆく計画である。
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