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2011 Fiscal Year Annual Research Report

口腔領域での酸化ストレスコントロールによる加齢制御

Research Project

Project/Area Number 23390480
Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

森田 学  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40157904)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 友藤 孝明  岡山大学, 岡山大学病院, 講師 (80335629)
玉木 直文  岡山大学, 岡山大学病院, 講師 (20335615)
江國 大輔  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70346443)
兼平 孝  北海道大学, 大学病院, 講師 (90194935)
Keywords酸化ストレス / 歯周治療 / アタアッチメントロス
Research Abstract

老化のプロセスには「活性酸素による細胞損傷」が深く関与する。我々が過去に行ってきた研究によると、歯周病治療によって歯周局所および全身の活性酸素量が減少する。このことは、歯周病が老化を促進している可能性を示している。したがって、健全な口腔機能を保つことが、酸化ストレスコントロールを介して老化を防止できると期待される。本研究では、酸化損傷度(酸化ストレス)を切り口に、口腔の健康状態が、老化度に関する臨床指標に及ぼす影響について明らかにすることを目的とする。
平成23年度は、別の観点から、すなわち酸化ストレス度が歯周病のリスク要因になり得るか検討した。岡山大学病院予防歯科で歯周治療を受けメインテナンス期にある75名(平均年齢57.4歳)を対象に3年間の後ろ向きコホートを実施した。2008年から2011年の間で、3mm以上のクリニカルアタッチメントロスが2歯以上あった者あるいは歯周病により歯を喪失した者(進行群、n=28)と、そうでない者(対照群、n=47)に分類した。2群間の間で、2008年時点における酸化ストレス度に差があるか、他の因子(年齢、性、平均歯周ポケット深さ、プロービング時出血、残存歯数)を調整したロジスティック回帰分析により検討した。その結果、血漿中の酸化ストレス度が高いことが、3年間の歯周病の進行と有意に関連していた(オッズ比1.001、95%信頼区間1.001~1.022)。この結果は、酸化ストレス度が、歯周病の進行のリスク因子で有ること示唆している。
以上のことから、食事や運動などの方法で酸化ストレス度をコントロールすることが口腔内の健康を維持することにつながり、歯科的介入でさらに効果的に酸化ストレスをコントロールできると考えられる。今後は、酸化損傷度以外の要因(血管年齢、脳年齢等)が、歯科的介入でどのように変化するのか追跡する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

口腔内の健康が酸化ストレスを制御できる可能性についてはこれまでの研究で明らかになっていた。それに加えて,平成23年度の成果より,何らかの全身的な因子によって起こる酸化ストレスの増大が,口腔の健康に影響することが示唆された。口腔領域という局所で歯科的介入で酸化ストレスコントロールすることは重要である。それに加えて,運動や食事面からのアプローチを同時に行うことで,口腔の健康が一層効果的に維持できることで,口腔局所から全身に波及する酸化損傷度の低下が促進するという,相乗的な効果が期待される。今後の研究デザインの立案に参考となる成果が得られたと思われる。

Strategy for Future Research Activity

今後は,食生活や運動など全身の酸化ストレス度の影響と,歯科的介入による酸化ストレス度の影響の両面から血漿のデータを考察する必要性がある。また,今回の報告書には記載していないが,学生を対象とした予備調査で,咬み合わせの不良と脳年齢について関係は無かった。したがって,脳年齢の計測方法,算出方法に間違いがないかどうか検討中である。

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Published: 2013-06-26  

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