2012 Fiscal Year Annual Research Report
災害に対する看護の備えに関するグローバル・ナショナルスタンダードの構築
Project/Area Number |
23390495
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山本 あい子 兵庫県立大学, 付置研究所, 教授 (80182608)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上泉 和子 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (10254468)
大野 かおり 園田学園女子大学, 健康科学部, 教授 (20300361)
黒瀧 安紀子 兵庫県立大学, 付置研究所, 講師 (70593630)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 災害看護 / 備え / 基準構築 |
Research Abstract |
本研究目的は、看護学分野における災害に対する備え枠組みの妥当性を検討し、日本国内外で使用可能な災害に対する看護の備えのためのグローバルスタンダードならびにナショナルスタンダードを明らかにすることである。 今年度は、質問紙の精錬、並びに研究倫理審査委員会の承認を受け、質問紙調査を開始した。調査はデルファイ法を用いて行った。昨年度にリストアップしていた調査対象者のうち、日本人78名にメールで質問紙を配布した。調査1回目は、14名から回答があり、2回目は1回目に回答のあった14名に質問紙を配布し、8名から回答があった。質問紙の枠組みは、ケア提供、看護教育、看護管理、看護研究の4大項目と7つの中項目(設備・人・組織・予算・環境・情報・理念)、さらに小項目を含んでいる。1回目の調査では、それぞれの重要度について5段階による評価を依頼し、調査2回目は、1回目の調査回答の集約結果を参考に、再度重要度を5段階で評価してもらった。2回目の調査により、ケア提供では、設備(7項目中5項目)と情報(4項目すべて)において、看護管理では、設備(6項目中4項目)と理念(15項目中10項目)において、看護研究では、組織(7項目すべて)、情報(1項目すべて)、理念(4項目すべて)で「大変重要である」へと合意が進んだ。看護教育においては、「重要である」へ合意が進んだ項目が設備、人、予算に見られた。また、予算に関しては、ケア提供でも「重要である」へ合意が進んだ。すべての人が「大変重要である」とした項目は、ケア提供の理念にある「災害時には、まず自分を守ることが大切であることを理解している」であった。一方、小項目の中には、「どちらとも言えない」に合意が集約された項目もあり、これらの結果を踏まえて、第3回目の調査並びに国際調査も始める計画である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、研究倫理審査並びにデルファイ調査を開始することができている。すでに2回の調査を実施しており、結果の集約もできている。1回目、2回目の調査結果を検討すると、大半の項目で、重要度の合意が進んでいるが、重要度が下がる方向に合意が進んでいる項目もあり、今後検討する必要がある。デルファイ調査は、3回以上繰り返して調査を実施することとなっており、当初4回調査を実施する計画であったが、合意の進み具合から考えると、3回の調査で終了の可能性もあり、現在検討中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
5月初めに3回目の調査を行い、5月末には調査結果を回収、結果の集約を行う。また、国際調査を行う準備も開始する。国際調査は、国際会議に出席の際に手渡しで調査協力を依頼することや、メールで多数の人に送付依頼することで、回収数を増やすことを計画している。さらに、次の回答までの調査期間を長く開け過ぎないようにすることにより、回収率を上げたいと考えている。 本調査では、調査用紙を配布、回答用紙の回収、結果の集約までの一連の作業のプロトコールができているため、随時決められた時期に調査を行えるよう、アルバイトの雇用等を通して、調査のさらなる促進を図る。
|