2011 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ浮腫治療・ケア領域におけるEBP(証拠に基づく実践)のための臨床研究
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23390506
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉沢 豊予子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80281252)
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Keywords | リンパ浮腫 / 生体インピーダス / 特定疾患QOL質問紙 |
Research Abstract |
平成23年度の第一の目的はリンパ浮腫の介入研究に関する文献検討であった。文献検討を行ったところ、複合的理学療法の圧迫療法に加えて、運動療法を実施しているRCTが多くなっている。特に上肢のリンパ浮腫の研究が多い。運動はリンパの流れを良くすると同時に、血流の流れを良好にするため、リンパ浮腫を悪化させることが多いこともあり、どの程度の運動レベルがよいのかはまだ明らかにされていなかった。下肢浮腫においては研究そのものが少なかった。第2の目的として、リンパ浮腫の超音波像と生体水分像による婦人科手術後1週間から1か月までの下肢の超音波像と生体インピーダンスによる観察研究を行った。この研究では、生体インピーダンスにおいては、対照群と実験群リンパ節廓清の有無で2群に分け、手術前と手術後7日おける比較を行った。周囲計を7か所で測定した。その結果リンパ廓清群(実験群)で右足膝上12CMと左足膝上12CMで手術前と手術後7日で有意に細くなっていた。しかし、生体インピーダンスでは正常範囲内であるものの有意に、細胞外水分量/全体細胞水分量値は、上昇していた。水が溜まり始めていることを示していた。一方超音波画像診断上では、超音波の精度にも影響されるが、超音波像による進行度の分類では、術後1週間の画像に明らかな相違は認められなかった。生理学的指標による評価では、インピーダンス法の精度は高いと考えられるが一方法だけでは、リンパ浮腫の評価にするのは難しい。評価として、主観的評価も検討しており、LYMQOLリンパ浮腫の特定疾患QOLの日本語版の検討も合わせて行った。その結果、早期のILS0期ではQOLは下がらないがILS分類が2期を超えると急激にQOLは低下していた。今後客観的指標・主観的指標の両面からの検討が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
23年度の計画であったものが、対象が集まらなかったため、データ収集が十分ではなかった。しかし繰越を行ったことで研究協力者の確保ができたため
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Strategy for Future Research Activity |
当初の期間を延長しながらデータ収集を実施してきている。リンパ浮腫ケアの評価としてまだ確立しているものがなく、今後新たな評価指標を探しながら進めていく予定である。また、主観的指標についての確立も目指す。
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Research Products
(4 results)