2011 Fiscal Year Annual Research Report
周産期の安全性と質の保証を実現するための実証データを基盤とした包括的・総合的分析
Project/Area Number |
23390508
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
齋藤 いずみ 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10195977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 香織 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (30281273)
戸田 まどか 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (90388695)
岩崎 三佳 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (70584176)
清水 彩 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (90552430)
西海 ひとみ 神戸大学, 保健学研究科, 講師 (30379458)
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Keywords | 周産期 / 安全 / 質の保証 / 実証データ / 分娩 |
Research Abstract |
研究実績の概要 本研究目的は、実証データを基盤とした分娩期の分析を発展継承し、ハイリスク・異常分娩などの安全性と質の保証に関する分析を実施すること、さらに分娩期に加え、妊婦、褥婦の身体・運動データなどを測定し、妊娠期から産褥期・新生児期まで、周産期全期間の安全性と質の保証に関連する実証データの蓄積へと発展させることである。 上記目標にもとづき、研究代表者は、本研究の土台となった研究成果に基づく「分娩の安全と質保証」に関する研究結果を報告し、臨床の管理者と助産師に研究結果と臨床の感触と相違について確認をした結果、概ね実感と研究結果に乖離はなかった。 研究代表者と分担者は、国内外の周産期、特に分娩時の安全にかかわる看護人員配置、看護業務・看護時間測定、タイムスタディなどに関する論文、産科・周産期病棟の安全性、患者満足度調査に関する論文を収集し、文献検討を実施した。また、妊娠期、産褥期、新生児期の、国内外の安全と質保証に関する文献検討を実施した。これまでの調査で得た分娩期と周産期の安全と質保証に関連する、助産教育、助産業務、病院、助産施設に関する国内外の情報収集をさらに実施した。 研究代表者は分娩期のハイリスク・異常分娩の実測調査を実施する病院における、最新の分娩に関連する動向・変化・問題点などをインタビューし、看護部長、分娩室看護管理者、産婦人科教授に今回の調査に関する研究概要の説明を実施した。研究の実施時期については、計画年次より病院の状況により移行せざる得ないことが明らかになった。 研究代表者・分担者・連携研究者は、これまでの研究成果と、新しく文献や、インタビュー、現地調査で得られた最新状況を基に、詳細な研究フレームを概ね完成させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの達成度 これまでの研究結果を報告し、臨床の感触と研究結果に乖離がないことを確認した。よってこの目的・方法論で研究を推進する。関連の国内外の周産期、特に分娩時の安全にかかわる、看護人員配置、看護業務・看護時間測定、タイムスタディなどに関する論文、産科・周産期病棟の安全性、患者満足度調査に関する論文を予定通り収集した。 調査を実施する病院で調査時期については、時期の変更があったが、研究の内諾を得ており協同研究を実施可能である。さらに、本研究に関心を持つ新たな病院が出現したため、調査病院を増やすことを考慮している。現地調査で得られた最新状況を基に、詳細な研究フレームをほぼ完成した。 先行研究で作成した「分娩概要に関する調査シート」「勤務状況に関する調査シート」「産婦の分娩満足度調査」「分娩時の看護の実測シート」などの再検討を実施した。 分娩時の看護の測定者(助産師・看護師)を公募し、測定方法の訓練を実施準備した。病院近くに測定者用の待機室を確保し、病院でプレテストを実施後、調査を開始する。分娩時かつハイリスク事例のデータ収集は、N数の不足が予測されるため、状況に応じて調査病院次年度に継続される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進方策 研究代表者は、調査病院の調査時期が決定しだい、研究分担者と最新データに基づく、詳細な研究フレームを完成させる。研究代表者・分担者・連携研究者は、先行研究で作成した「分娩概要に関する調査シート」「勤務状況に関する調査シート」「産婦の分娩満足度調査」「分娩時の看護の実測シート」などの最終検討を行う。研究分担者は、分娩時の看護の測定者(助産師・看護師)を公募し、測定方法の訓練を実施する。病院近くに測定者用の待機室を確保し、病院でプレテストを実施後、調査を開始する。 研究代表者、分担者は、調査者をプレテストの結果からさらに、正確な調査が実施可能なように訓練を行い、実測調査を実施する。 実測データのほか、医学経過、助産録、看護記録などのデータファイルは連結匿名化し、個人が特定されないように厳重にデータを管理する。 実測データと、医学経過・看護経過を24時間の時系列に沿ってデータ入力を行う。 入力したデータから、看護行為分類表、分娩時期に従って分類する。総看護時間、看護行為時間を、分娩時、妊娠時、産褥器の特徴、また正常群・異常群、ローリスク群・ハイリスク群の看護特性を明らかにする。上記の実証データと、日本の7対1看護人員配置、米国の産婦人科学会、小児科学会の人員配置勧告との比較検証を実施する。総看護時間に分娩時、および妊娠、産褥期を交えた周産期の看護人員配置と安全と質の保証に関する分析を実施する。
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Research Products
(10 results)