2011 Fiscal Year Annual Research Report
心の健康問題を持つ親への継続的育児支援システム構築・運用ガイドの開発
Project/Area Number |
23390522
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
荒木田 美香子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (50303558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 利三郎 大阪大学, 医学部, 教授 (50124748)
津島 ひろ江 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (80113364)
山下 留理子 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 講師 (90380047)
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Keywords | 精神障害 / 発達障害 / 保護者支援 / 地域保健 / 運用ガイド |
Research Abstract |
目的:精神障害や発達障害など心の健康問題をもつ親は育児の過程で家事負担や子どもとのコミュニケーション等に強い困難感を感じることがある。また、親が心の健康問題を持つ場合、子どもにも何らかの心の健康問題が発生する率が高い。安心して育児ができる継続的な支援が求められているが、現状では支援は不十分かつ分断されている。親の心の健康に関する研究は周産期から産後1年までのものが多く、継続的な支援とそのシステムに関するものは見られない。本研究は、心の健康問題を持つ親に継続的な育児支援を提供するための、地域保健、地域医療、学校保健まで視野に入れた支援システムづくりガイドを作成し、その妥当性を検討することを目的とする。 H23年度予定:支援ニーズ・事業の把握として(1)心の健康問題を持つ親への育児支援の連携に関する事業の実態調査及び(2)育児支援上のニーズ把握のためのインタビュー調査(当事者への調査、専門職への調査)を実施する。 H23年度実績と主な結果:全国保健所の母子保健担当部門と精神保健部門に対しH23年11月に495保健所に質問紙調査を送付し、母子保健担当より289件(回収率58.4%)、精神保健担当より302件(61.0%)を回収した。さらに、3分の1の割合で無作為抽出した全国市町村保健センターのうち住所の確認ができた725施設の母子保健担当者への質問紙調査を平成24年1月に実施し、333件(45.9%)を回収した。保健所では70通より、市町村保健センターからは41件の追加インタビューの許可があった。妊娠・出産をした精神疾患などを持つ女性当事者への支援を年間1件以上行っているところは保健所ではの72.3%、市町村保健センターでは89.2%であった。また、平成24年3月に専門職への聞き取りとして居生野得られた保育所、幼稚園、療育センターの保育士17名に気になる母親への支援について聞き取り調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
保健所及び市町村保健センターなどへの質問紙調査を実施し、比較的良い回収率で質問紙を隔週することができた。また、追加インタビューの協力を得られる施設がリストアップできた。加えて、乳幼児の良い区を行っている専門職に対して、聞き取り調査を行い、気になる母親への支援の状況を確認できた。今年度は当事者への聞き取り調査については今年度実施していないが、精神科医、小児科医の協力を得るべく連絡調整を行っている。以上のことより、今年度得た成果は、次年度の研究を発展させるに値するものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は当初の研究計画では、連携事例のインタビュー調査を行い、連携事例からグッドプラクティスを把握することとなっている。平成23年度に行った質問紙調査の結果から、連携を多数行っている及びよい実践を行っている期間を抽出して聞き取り調査を行う予定である。その際に連携がよくできていると判断するための基準も合わせて検討することとする。また、当事者への事例も合わせて進めることとする。
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