2012 Fiscal Year Annual Research Report
「公衆衛生看護の倫理」教育のモデル構築と検証:カリキュラム・教育方法・教材の開発
Project/Area Number |
23390523
|
Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
麻原 きよみ 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (80240795)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 真朝 聖路加看護大学, 看護学部, 助教 (00439514)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 看護学 / 公衆衛生看護 / 倫理 / 教育 |
Research Abstract |
本研究は、保健師教育機関(専修学校・学士課程・大学院)における「公衆衛生看護の倫理」教育のためのモデルカリキュラムと教育方法および教材を開発し、「公衆衛生看護の倫理」教育モデルを構築・検証することを目的としている。平成24年度は以下の3点を中心に研究活動を遂行し、コアとなるモデルカリキュラム案を作成した。 1.全国の保健師教育機関における公衆衛生看護の倫理教育に関する実態調査:全国の保健師教育機関に公衆衛生看護の倫理教育に関する質問紙を送付し、大学・短大専攻科・専修学校89校および大学院38校から回答を得た。公衆衛生看護倫理教育はその必要性は高く認識されているものの、時間の制約などから実施率は低かった。このような現状を踏まえ、独立科目ではなく科目の一部として公衆衛生看護倫理を組み込めるようなモデルカリキュラムと教育方法、教材の開発が急務であると考えられる。また公衆衛生看護倫理教育を担える教員を養成するための研修の必要性が示された。 2.先進教育地域の視察:放射能被害先進地域であるベラルーシを訪問し、原発事故前後の住民の反応と意識と生活の変化、風評、生活保障の制度、医療体制と専門職の人員配置等、実際の暮らしの中にある現実と倫理的課題、医学・看護学の健康危機管理教育、住民との対話を通した正しい知識の提供の重要性や、住民が適切な行動をとれるためのプロジェクトなどについて聞き取りを行い、公衆衛生看護倫理のモデルカリキュラムの1単元として開発するための示唆を得た。 3.研究コンサルテーション:カナダのトロント大学よりDr. Elizabeth Peterを招聘し、日本とカナダにおける倫理的課題に関するディスカッションを行い、倫理教育モデルカリキュラム作成に向けたコンサルテーションを受けた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の遂行に際しては、特に支障なく計画通りに進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、実態調査の結果および先進教育機関等で収集した資料等に基づき作成したモデルカリキュラム案に沿って、保健師教育機関における「公衆衛生看護の倫理」教育のための教育方法および教材を作成し、複数の保健師教育機関の学生を対象に試行し、評価・修正していく計画である。
|