2013 Fiscal Year Annual Research Report
先端技術を用いた中央アジアのシルクロード・シルクロード都市の総合的調査研究
Project/Area Number |
23401035
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
宇野 隆夫 帝塚山大学, 人文学部, 教授 (70115799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺村 裕史 国際日本文化研究センター, 研究部, 准教授 (10455230)
佐藤 洋一郎 京都産業大学, フューチャーセンター, 教授 (20145113)
黄 暁芬 東亜大学, 人間科学部, 教授 (20330722)
泉 拓良 京都大学, 総合生存学館, 教授 (30108964)
酒井 英男 富山大学, 理工学研究部(理学), 教授 (30134993)
小方 登 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (30160740)
芳賀 満 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (40218384)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 中央アジア / シルクロード / 都市 / GIS / 歴史空間 |
Research Abstract |
ウズベキスタン・サマルカンド州ダブシア遺跡(シルクロード都市)の最終確認調査を実施して,最下層を確認したことを受けて,現在までの同遺跡の発掘の成果,踏査や衛星画像解析によるシルクロード遺跡の広域分布調査の成果,地球物理学による年代測定の成果,織物の科学的調査の成果を,報告書として刊行した(日本語・ロシア語,宇野隆夫,ベルディムラドフ・アムリディン編2013『ダブシア城』真陽社)。 以上の成果から,ダブシア遺跡がザラフシャン川中流域(シルクロードの十字路地帯)の西における最大拠点であり,アケメネス朝ペルシア期(紀元前6世紀)から19世紀まで存続したことが判明したため,この地域の西の拠点シルクロード都市を探索した。その結果サマルカンド州カフィルカラ遺跡が浮かび上がり,試験的な調査を実施した所,非常に有望な遺跡であることが明らかになった。同遺跡は従来,ソグド時代末期のソグド文字資料が多く発見されていたが,アレキサンダー大王の離宮として用いられたとする記録が残る遺跡である。試験的な調査の結果,この遺跡がダブシア遺跡と並ぶ年代にわたって存続した可能性が高く,その詳細を明らかにしたらダブシア遺跡の成果とあわせて,このシルクロード十字路地帯の理解を多いに深めることができると予測できた。そのため次年度に,カフィルカラ遺跡の本格的な調査を実施する予定である。 なおこれに平行して,踏査や衛星画像解析によるシルクロード関連の広域分布調査を継続しておこない,その成果を上記報告書に掲載している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ターゲットサイトであったダブシア城の調査(ミクロの調査),シルクロード遺跡広域分布調査(マクロの調査)が順調に進行して,それらの成果報告書を刊行することができた(宇野隆夫,ベルディムラドフ・アムリディン編2013『ダブシア城』真陽社)。 このことにより,ダブシア城と対になる可能性があるカフィルカラ遺跡や,さらに広域の分布調査が可能となり,これらの点が当初の計画以上に進展していると判断した理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
従来実施してきたシルクロード遺跡の調査(ミクロの調査)とシルクロード関連遺跡の広域分布調査(マクロな調査)を平行して実施し総合することが非常に有効な方法であることが,明確になってきた(日本語・ロシア語,宇野隆夫,ベルディムラドフ・アムリディン編2013『ダブシア城』真陽社)。 シルクロード遺跡の調査としては,ダブシア遺跡の概要が明確になったためザラフシャン川中流域において,ダブシア遺跡と対極の位置にあるカフィルカラ遺跡の調査が重要であることが明らかになってきたため,今後,その調査に注力することを予定している。またこれに平行してシルクロード関連遺跡の広域分布調査を進め,その立地地形分析を詳細におこなうことを予定している。
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Research Products
(2 results)