2013 Fiscal Year Annual Research Report
チャイニーズネスの実証的研究―グローバリズムとの関連から
Project/Area Number |
23402007
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中村 則弘 愛媛大学, 法文学部, 教授 (10192676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 捷 愛媛大学, 国際連携推進機構, 教授 (00380212)
首藤 明和 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (60346294)
石井 健一 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 准教授 (90193250)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2015-03-31
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Keywords | チャイニーズネス / グローバリズム / 差序格局 / 両義的補完性 / 渾沌 |
Research Abstract |
台湾、香港、中国で聞き取り調査を行うとともに、研究の進展から必要となった日本・沖縄での関連調査を行った。中国、台湾、沖縄という三者の関係を捉えることは、日本からチャイニーズネスを考えるときに決定的な重要性をもっていた。そのなかで、歴史的な民衆世界が、現代においても大きな意味をもちえることが明かとなったことは、これまでに類例を見ない知見である。この知見は、差序格局、両義的補完性、混沌という分析枠組みとも密接に関連している。 これとあわせて、中国、台湾、日本・沖縄、日本・本土でのアンケート調査を実施した。価値意識の相違に着目した同一質問項目のアンケートを、これら各地で同時期に実施したことの意義は大きい。アンケート自体は終了し、現在、分析作業を行っており、徐々に斬新な知見が得られつつある。 これらを通じ、チャイニーズネスを軸とした価値観と人間関係の東アジアの比較検討はもとより、東アジアにおける新たな視点から共同関係の樹立にかかわる斬新な知見を得つつある。その一例をあげれば、民間と地方を主体とする協力関係の重要性である。 研究成果に報告については、逐次、論文として刊行するとともに、関連する学会において「チャイニーズネス」、および「東アジア共同体の展望」にかかわる二つのシンポジウムを設定し、広く社会への還元をはかった。あわせて、学会誌においてチャイニーズネスにかかわる特集を企画し、現在実現に移されつつある。広く関連研究者の参集を図りつつ、平成26年度から特集論文として順次刊行されることとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査が順調に推移できたこと、さらに国際比較まで行うことができるまでの内容となったことは、計画の範囲をこえた成果である。また、学会誌に特集を企画できたことも、同様の成果である。 ただし、現在においても中国での調査研究には多大な困難がある。民族関係もからむ本研究については、とりわけ支障が大きい。個人的なネットワークでできる限りの対応はしているが、当初の計画からみると大きな縮小を余儀なくされている。ただ、これは採択後に生じた国際問題によるものであり、やむを得ないことがらである。また、台湾、沖縄を視野にいれた研究展開によって、十分な対応は行っている。 これら一連の内容を勘案すれは、おおむね順調に進展しているとみることが、妥当な判断と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画についての大きな変更はない。最終年度であり、研究成果にかかわる検討、報告、刊行に力を入れてゆく。そのなかでは、如何にして幅広い海外の研究者の参加をはかるかが、知恵を絞らなけらばならない課題となっている。 あわせて、聞き取り調査やアンケート調査について、確認作業を兼ねた補充調査の必要が生じた場合には、適宜に対応してゆくこととする。
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Research Products
(16 results)