2014 Fiscal Year Annual Research Report
チャイニーズネスの実証的研究―グローバリズムとの関連から
Project/Area Number |
23402007
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
中村 則弘 愛媛大学, 法文学部, 教授 (10192676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陳 捷 愛媛大学, 国際連携推進機構, 教授 (00380212)
首藤 明和 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (60346294)
石井 健一 筑波大学, システム情報工学研究科(系), 准教授 (90193250)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | チャイニーズネス 中国 / 流動性 中国 / 両義性 中国 / 曖昧さ 中国 / 境界移動 中国 / 言説の資源 中国 / 価値観 中国 / 政治意識 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代における「中国的なるもの」がいかに構成されているかを、差序格局、両義的補完性、流動性と曖昧さを軸として分析した。研究計画の図に示したような、グローバリズムとの関連における中国の周縁部分、外部との接触部分に着目して検討を進めた。 簡単にその内容と成果を記しておく。(1)尖閣諸島をめぐる関係を念頭に置きつつ、台湾宜蘭県蘇澳鎮にみるチャイニーズネスの現代的構成要素を、石垣島との交流を軸に分析した。そこでは両義性と流動性、曖昧さが、その構成要素を考える上で決定的な意味をもつことが解明された。(2)中国、チャイニーズネスと、いわば「ネガ」のように関わってきた回族についての実証分析を行った。回族が民族として生成してきた「経路」からは、チャイニーズネスそのものが領域とネットワークの輻輳・振幅という動態メカニズムに結びついており、境界移動・境界侵犯・異種混淆がなければ本来的に立ち枯れてしまうという重要な知見が得られた。(3)アンケート調査である「チャイニーズネス調査」の実施とその分析検討である。この調査では上海を重点的な分析対象として設定し、現代におけるチャイニーズネスの構成を考える上で根幹的意味をもつ政治意識と価値観の関連を明らかとした。 以上の知見は、これまでの中国社会研究にはみられなかった独創的内容であり、世界的な研究動向を鑑みても、それを大胆かつ大きく展開させるものになっている。また、アジア・中国との協力関係をつくる上で基軸とすべき内容を提起したものともなっている。なお、本研究課題にかかわる知見は研究協力者からのものも多々得られている。今後は、一連の研究成果を専門図書として刊行するとともに、これまでにも増して広く海外に向け成果を発信する。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)