2012 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカの生物資源・伝統的知識とイノベーションをめぐる総合的研究
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23402014
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| Section | 海外学術 |
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| Research Institution | Kansai University |
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Principal Investigator |
山名 美加 関西大学, 法学部, 教授 (50368148)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KNELLER RobertW 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (20302797)
北川 勝彦 関西大学, 経済学部, 教授 (50132329)
SHRESTHA Manoj 甲南大学, 経営学部, 教授 (90248097)
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| Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | アフリカ / 生物資源 / 伝統的知識 / 利益配分 / イノベーション / 経済発展 / 知的財産権 / 国際研究者交流 |
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| Research Abstract |
本研究は、アフリカが模索し始めた生物資源、伝統的知識を活用したイノベーションのあり方について、生物資源・伝統的知識を活用した産官学連携に積極性を見せているARIPO関連国で、かつ2007年度のGDP伸び率が５％以上又は外資系企業との産学連携事例がある８カ国を対象に、当該国の生物資源・伝統的知識保護法制（立法、政策、ガイドライン）及び知的財産制度の整備状況を把握した上で、生物資源・伝統的知識を活用した産官学連携事例の成功要因と課題（具体的な特許等の権利化状況、ライセンス、利益配分問題）を経済学、経営学、法学、生物学、技術移転論の総合的見地から調査、分析し、アフリカにおけるイノベーションをめぐる新たな国際連携モデルのあり方を検討するものであるが、本年度は、南アフリカに焦点を当て、研究分担者が南アフリカにおける国際会議（第16回世界経済史会議）において本研究に関するセッションに参加し、生物多様性の専門的知識の提供をUniversity of Fort Hareの専門家から受けるとともに、ケープタウンに設置されているKristenbosch植物園において本研究に関する調査を行った。さらに、研究代表者が主幹を務めてきた関西大学法学研究所の研究会において南アフリカとインドからの専門家を招いての国際シンポジウムを開催するとともに、研究代表者及び分担者が、アフリカ資源と伝統的知識を最も活用していると考えられる米国の国立衛生研究所（ＮＩＨ）及び米国の大学（コーネル大学、コロンビア大学）そして、国連（ＵＮＥＰ）のアフリカ政策立案についての調査を行うことで、アフリカにおける遺伝資源、伝統的知識を活用した産官学連携の事例と課題をアフリカ域外からも抽出できた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の対象国である８カ国のうち、既に調査を予定したエチオピア、ケニア、南アフリカを対象とする調査を行うだけではなく、ケニア及び南アフリカからは専門家を招いて研究会を開催できたことで、日本の専門家との活発な意見交換、ネットワークの構築の場も設定できた。そして、平成２６年度対象国であるタンザニアについても、来日中の専門家を招いての研究会を開催し、同国の調査に関わる見通し、強固なネットワーク構築の礎が出来たことは、計画以上の進展であったと考える。
さらに、アフリカ関連の研究会においてではあるが、生物資源、伝統的知識が豊富で、それらを基にイノベーション創出を熱望し、アフリカとの関係強化を図る南アジア（ネパール）の研究者とも活発な議論が行えたことで、南アジアの生物資源、伝統的知識の活用、日本との共同研究のモデル作りについても議論ができたことは大きな成果であると評価できる。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度は、本研究の中間成果を研究代表者が客員教授として所属するネパール国立トリブバン大学において本研究分担者はもとより、本研究にこれまで協力してきたアフリカの研究者、アフリカ研究の専門家、ＡＢＳ（アクセス・利益配分）関連の専門家、国際的産学連携を実施している者を招いた国際シンポジウムを開催し、発信する予定である。遺伝資源・伝統的知識に恵まれつつも、その活用についての政策が未整備で、政策立案が急務の課題とされているネパールにおいては、アフリカで見られる遺伝資源・伝統的知識を活用したイノベーションのあり方、利益配分の方向性については、大変注目されているため、多くの政府関係者からも参加が期待されると考えられる。
そして、本年度は、アフリカ南部のボツワナに焦点を当て、ボツワナ司法長官府、知的財産課の協力を得て、現地調査を実施する予定である。南アフリカと共通する植生、部族が居住するボツワナの遺伝資源・伝統的知識の活用に関わる課題の抽出と検討は、次年度以降のアフリカ調査においても大きな示唆を与えうるものと考える。
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