2012 Fiscal Year Annual Research Report
高負担時代の地方自治-地域主権を目指して-北欧の挑戦
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23402017
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
穴見 明 大東文化大学, 法学部, 教授 (70144102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅沼 隆 立教大学, 経済学部, 教授 (00226416)
藪長 千乃 文京学院大学, 人間学部, 教授 (10364845)
白鳥 浩 法政大学, 公共政策研究科, 教授 (70285477)
木下 淑恵 東北学院大学, 法学部, 准教授 (70308229)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 北欧 / 地方自治 / 地方主権 / 高負担高福祉 / 政府への信頼 / 地域主権 |
Research Abstract |
・前年度の予備調査と議論を踏まえて、研究の全体的構図(仮説)と各メンバーの研究の重点課題について議論を深めた。そのうえで、それぞれの重点課題に沿って、各メンバーによる現地調査を進めた。穴見はスウェーデンにおいて、地方自治体の財政平衡制度改革についての資料収集および地域自治体レベルの政治家への聞き取り調査を行った。菅沼は2007年の地方制度改革後のデンマーク医療保険実施体制についてコペンハーゲン大学等において聞き取り調査を実施した。また、地方制度改革後の障がい者政策についてデンマーク社会研究所にて聞き取り調査を行った。藪長はフィンランド共和国ヘルシンキ市、クオピオ市等にて、資料収集および学識経験者との意見交換を行うとともに、全国自治体首長会で各自治体の首長たちと意見交換しフィンランドの自治体の抱える課題と動向について最新の情報を得た。白鳥は北欧のサブナショナルなデモクラシーのあり方についてノルウェーのオスロを軸として他国の首都を比較検討するという目的による調査を行った。そのために、ストックホルム、オスロ、ヘルシンキでの現地の研究者からの聞き取りと意見交換を行った。木下はストックホルム、カールスタード、ボーレンゲ、ムンクフォーシュ、クニーヴスタ(いずれもスウェーデン)にて、情報公開および自治体広報のあり方を中心に現地視察および聞き取り調査を行った。 ・11月にフィンランドのタンペレ大学から地方自治の研究者を招聘し、東京にて研究会を開催した。 ・穴見、白鳥、藪長が、2012年9月開催の日本地方政治学会・日本地域政治学会研究大会で北欧の地方自治の比較をテーマとする学会報告を行った。 ・穴見、菅沼、藪長、木下が研究の中間報告的性格を持つ論稿を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・昨年度積み残しの課題であった、予備調査を踏まえての仮説構築の作業を7月までにすますことができた。 ・そのうえで、8月以降、割り当てられた重点領域に沿って各メンバーが現地調査を実施することができた。調査の成果については、メンバー間でややその度合いに差が見られるものの、全体として見れば必要な資料が順調に蓄積されている。 ・海外連携研究者を招聘し研究会を行い、貴重な知見を得るとともに、意見交換を通じていくつかの検討課題が明らかになった。 ・中間報告的なものであるが、学会報告、論文などの形で、研究成果の一部を公表し始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
①スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、フィンランドにおいて各メンバーの分担に沿って現地調査を引き続き実施する。 ②海外連携研究者を日本に招聘し研究会を行う。 ③現地調査結果の分析のための研究会を実施する。 ④研究の中間成果をより広範な人々の批判的検討にさらすことにより研究内容の向上をはかるために、学会発表の機会を得るべく努める。
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