2011 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥環境下における外来植種の排他的侵入特性と地下水文系のヘテロ性との関連
Project/Area Number |
23404014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Field |
Hydraulic engineering
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
安田 裕 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 准教授 (60136538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 清胤 石巻専修大学, 理工学部, 准教授 (30254832)
中川 啓 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 教授 (90315135)
西山 浩治 九州大学, 工学研究院, 助教 (20264070)
縄田 浩志 総合地球環境学研究所, 研究部, 准教授 (30397848)
星野 仏方 酪農学園大学, 環境システム学部, 教授 (80438366)
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Keywords | 外来侵入植種 / 地下水文 / 乾燥地 / ワジ / 涵養 / 降水量時系列 |
Research Abstract |
I.現地調査 調査活動Bahri(Al Kadar)農地に地下水位計設置し、データを得た。Al Rawakeebワジで物理探査を実施し、その結果によりボーリング・さく井を行った。また、既存井戸の修復により観測井を得た。 得られた結果 1.ワジでの浅層地下水: Al Rawakeebワジで侵入過程のメスキートの水源として、同地で主要な地下水帯水層である80m深のヌビア帯水層は深すぎると推察されていたが、同地区には20-30m深に浅層地下水が散在することが物理探査結果からわかった。同地区のメスキートはこの浅層地下水が水源であると推察される。この浅層地下水は規模が小さいので、これらの帯水層の地下水賦存量を解明することが今後の課題である。また、浅層であるので、降水やワジ流出からの涵養が想定され、ワジ流域の水文過程とメスキートの侵入・定着との関係が定量的に評価されることが期待される。2.メスキート吸水による地下水位変動:樹高2-3mのメスキートが23m深の地下水面から吸水していた。これは下記の国内栽培実験の結果(根の長さは地上部の10倍)と一致するものであった。メスキートの地下水からの吸水は日照量に連動するものであったが、日中低下(midday depression)現象により、正午前後に地下水位回復が見られた。 II.国内研究 室内メスキート栽培実験1.根の伸長 メスキートは1ヶ月半で1.5m根を伸長させた。また、根の長さは地上部の10倍になった。2.発芽に必要な水分量: 発芽には雨量換算で50mm以上の灌水が必要であるが、発芽に最適な水分量があり、過多の場合は発芽が阻害される。 スーダン降水量時系列解析 季節(雨期・乾期)変動、周期変動 昨年度は購入した降水量データを解析し、季節(雨期・乾期)変動、周期変動を解明し、それによりスーダン全土を4つの雨域に分割できることがわかった。上記の発芽に必要な50mm以上の月雨量出現にも周期性があることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現地外注で物理探査・ボーリング・さく井を実施したが、円高のため予算に余裕が生じ、予定以上の調査体制が樹立されてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
現地カウンターパートとのより一層の連携強化 遠隔地のアフリカでの調査であるので、現地カウンターパートの協力が不可欠である。カウンターパートのDesertification Research Center(DRI)は協力的であるが、より一層の連携強化のために本年6月にハルツームで合同シンポジウムを開催する。
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