2013 Fiscal Year Annual Research Report
メコンデルタにおけるMudskipper類生態調査
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23405033
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
石松 惇 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 教授 (00184565)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩滝 光儀 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 准教授 (50423645)
和田 実 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科, 准教授 (70292860)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / ベトナム / 生態 / Mudskipper / 養殖 |
Research Abstract |
ベトナム南部を中心として大規模に養殖されているMudskipper類の1種Pseudapocryptes elongatusの再生産生態に関する調査を、2013年6月と12月に行った。2013年6月には、Ca Mau省のNam Can周辺の生息状況を調査し、その後Bac Lieu省での調査を行った。Nam Canでは、地元漁師に仔魚採集を依頼したが、本年度中に入手できたのは稚魚のみであった。Bac LieuではP. elongatusの養殖中間業者から稚魚サンプルを購入した。 12月には再び、Bac Lieuを訪れ、漁船で沖合までいった後、干出した干潟を岸まで歩いたが、底質がかなりかたく、P. elongatusはまったく認めることができなかった。その後Ca Mauに移動して、ボートで周辺の干潟を探索した。地図には記載されていないかなり大きな干潟があり、そこには多数のBoleophthalmusやPeriophthalmusが生息していたため、P. elongatusについても生息の可能性が考えられた。ただし、このときにはP. elongatusは確認できなかった。 P. elongatusの養殖環境については、夜間には表層を除いて無酸素状態になることを確認した。 調査開始からの結果をまとめて、原稿2編を執筆中である。1編は、P. elongatusの初期生態と回遊履歴に関する内容で、Environmental Biology of Fishesに投稿する予定である。他の1編は、P. elongatusとエビ養殖池の水質および底質環境と微生物群集に関する内容で、国際学術誌に投稿予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベトナム現地でのさまざなな制約に関わらず、現地調査で一定の成果があがり、26年度中に国際学術雑誌に2編の論文を投稿するに至った。また、カントー大の研究者と、本研究をきっかけとして広範な研究交流が始まっており、この点では当初の予定を越えた展開を見せているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度が本研究の最終年度であることから、産卵地の特定と成熟親魚の捕獲に全力をつくす。また、来年度を目指して、新たな科研費海外学術調査を申請する。
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