2012 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥地の塩類化農地における持続可能な植物生産と塩類動態制御
Project/Area Number |
23405037
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
北野 雅治 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30153109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安武 大輔 高知大学, 自然科学系, 准教授 (90516113)
森 牧人 高知大学, 自然科学系, 准教授 (60325496)
長 裕幸 佐賀大学, 農学部, 教授 (90136599)
丸居 篤 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 学術研究員 (80412451)
大槻 恭一 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80183763)
鹿島 薫 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (90192533)
山中 典和 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (20202385)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 乾燥地 / 塩類動態制御 / 持続可能性 / 植物生産 / 地域資源 / 日光温室 / 高付加価値作物 / 淡水化装置 |
Research Abstract |
本研究は,乾燥地の塩類化農地における地域資源(気象資源,水土資源,生物資源)の評価,塩類化農地での植生管理による持続可能な高収益畑作体系と塩類動態制御の検討,塩類化農地での持続可能な高付加価値植物周年温室水耕栽培と塩類動態制御の検討,塩類化農地における持続可能な高収益植物生産と塩類動態制御の両立の検討(乾燥地農場モデルの提案)の4課題で構成されている。 24年度は,試験圃場に植生管理区画(トウモロコシ,ヒマワリ,ビート,小麦,タマリスク,裸地)を設け,環境要素(日射,雨量,気温,湿度,風速,地温,土壌水分量,土壌溶液と地下水の電気伝導度,イオン組成)の経時測定を継続した。各植生管理区で適用できる根の速度論的イオン吸収モデルを構築し,現地圃場での観測および九大での植生土壌コラム実験を並行して,土壌への塩類集積のシミュレーションを可能にした。タマリクスに関しては植生管理区での土,水,気象環境,タマリクスの生理生態,根に接種したニクショウヨウの越冬能力を観察した結果,試験圃場の自然条件下では接種したニクショウヨウが越冬不可能であることが判明した。さらに,高付加価値耐塩性植物の周年水耕栽培,蒸留淡水化システム,中国式日光温室を想定して,国内の九州大学で塩類化地下水を活用した高付加価値耐塩性植物の周年水耕栽培法の実証試験,蒸留淡水化のモデルシステムの実証試験,潜熱蓄熱材を援用した太陽光蓄放熱試験を実施し,それらの有効性を明らかにした。また,平堡試験地の農家の温室で,環境要素,エネルギー収支などの観測を継続し,乾燥地に適した持続可能な高収益植物生産システムを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究を構成する4課題(乾燥地の塩類化農地における地域資源の評価,塩類化農地での植生管理による持続可能な高収益畑作体系と塩類動態制御の検討,塩類化農地での持続可能な高付加価値植物周年温室水耕栽培と塩類動態制御の検討,塩類化農地における持続可能な高収益植物生産と塩類動態制御の両立の検討)に関する,現地試験,国内での基礎実験ともに順調に進展している。ただし,日中関係の悪化による影響で,現地で採取した試料などの分析が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の25年度においては,24年度の甘粛省平堡試験圃場および中国式日光温室での観測を継続して実施するとともに,実証実験,モデル実験などで得られたデータと合わせて総合的な解析を行う。それらの結果をもとに,砂漠化進行地域における持続可能な高収益畑作体系,高付加価値植物周年施設生産および蒸留淡水化システムによる塩類動態制御技術等を導入した持続可能な「乾燥地農場モデル」の有効性を総括的に検討する。
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Research Products
(21 results)