2011 Fiscal Year Annual Research Report
南・東南アジアにおける単為生殖型肝蛭と家畜ウシの分布・拡散に関する分子系統解析
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23405044
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
板垣 匡 岩手大学, 農学部, 教授 (80203074)
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Keywords | 南・東南アジア / 単為生殖型肝蛭 / Fasciola gigantica / 家畜ウシ / 分子系統解析 |
Research Abstract |
ミャンマー産肝蛭を精子形成能および核リボソームITS1、ミトコンドリアNADHIのDNAマーカーにより特徴付けを行った。その結果、Yangon,Lashio,Myitkynaで感染牛より採取した88虫体は、80虫体が有精子型のFasciola gigantica、中国と国境を接する北部Myitkynaで得られた8虫体が無精子型肝蛭(単為生殖型肝蛭:aspermic Fasiola sp.)であり、ミャンマーから初めて無精子型肝蛭の存在を確認した。nadIマーカーによる系統解析により、無精子型肝蛭は同一のハプロタイプを示し、中国や日本、韓国などの東アジアで発見された無精子型肝蛭と系統学的に同一であったことから、感染動物とともに中国よりミャンマーに侵入したと考えられた。F.gigantica虫体では、17型のnadIハプロタイプが確認されたが、ネットワーク系統解析によりこれらのハプロタイプには2系統が識別され、ミャンマー産F.giganticaは2系統起源と考えられた。 タイ産肝蛭についても、同様の解析を行った。その結果、各地で感染牛より採集した147虫体では、128虫体が有精子型のF.giganticaであり、19虫体が無精子型肝蛭であり、タイ国に無精子型肝蛭が分布することが再確認された。nadIマーカーによる系統解析により、無精子型肝蛭はミャンマー産無精子型肝蛭と同様に中国や日本、韓国などの東アジアで発見された無精子型肝蛭と系統学的に同一であったことから、感染動物とともに中国よりタイに侵入したと考えられた。一方、F.giganticaでは、29型のハプロタイプを示したが、そのうち3型が優性であり、タイ産F.giganticaは3系統起源と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
23年年度に計画していたタイ国およびミャンマー国の肝蛭虫体について十分な研究結果を得ることができたこと、さらに研究成果を国際専門雑誌に掲載または受理されたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果から、無精子型肝蛭(単為生殖型肝蛭:aspermic Fasciola sp.)は中国で誕生した後に隣接するミャンマーやタイなどの周辺諸国に感染動物を介して分布を拡大していると考えられる。従って、次年度以降には中国と国境を接しているネパールやバングラデシュ、インドなどの国々、さらにはフィリピン、インドネシアなどの東南アジアの島国についても肝蛭虫体の系統解析を行い、当初の計画通り無精子型肝蛭のアジアにおける分布と拡散の全容を解明する。
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Research Products
(20 results)