2013 Fiscal Year Annual Research Report
潜在性結核の検出と、結核の発症予知技術の確立を目指した、ケニア国における調査研究
Project/Area Number |
23406011
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
松本 壮吉 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30244073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿戸 学 国立感染症研究所, 免疫部, 部長 (20392318)
濱野 真二郎 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70294915)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 結核 / 潜在性結核 / アフリカ / 寄生虫 / 栄養 |
Research Abstract |
結核菌のすみかはヒトであり、感染者(潜在性結核)の5-10%で、潜伏菌の再増殖が生じ結核が発症する。したがい、感染者(活動性結核に加え、潜在性結核)に対処することが結核の制圧につながる。それには潜在性結核の検出技術や発症の予知法を開発する必要がある。また結核流行地では、国内と異なる栄養状況、HIV等のウイルス感染や寄生虫感染など多重感染が生じている可能性が十分にあり、それらの潜在性結核や結核発症に対するリスクは殆ど検討されていない。本研究では、増殖期の結核菌特異的抗原に加え、休眠期抗原に対する宿主応答の検出を軸に、問診、健康調査、血液生化学試験、各種病原体の感染状況を調査し、潜在性結核の検出や結核菌感染や疾患発症のリスク因子の同定を目指し、結核蔓延地区であるケニア共和国にて実施した。 試験の結果、結核潜在期抗原であるMDP1やAcrに対する反応者を検出したが、増殖期抗原ESAT6―CFP10反応者と異なる感染者を検出する傾向があることが分かった。また地域格差も認められ、Mbita地区では、マンソン住血吸虫感染が多く小学校によっては感染者が80%を超える状況であったが、鉤虫感染率は低い傾向であった。一方、Kwale地区では、住血吸虫と鉤虫感染率がそれぞれ、34.4%, 26.7%と高く、その他の寄生虫感染はほとんど見られなかった。Mbita地区では、鉤虫感染(p=0.21, オッズ比 3)と結核菌感染の相関が認められた。Kwale地区では、住血吸虫感染(p=0.01<)や高値のコレステロール量(p=0.046)とは明らかな逆相関が認められた(p=0.01オッズ比0.3)。これらの知見は、結核の高度汚染地域において潜在期抗原が、増殖期抗原で検出できない感染者を検出する可能性を示した。加えて鉤虫や吸虫の感染やコレステロール量が、潜在性結核のリスクであることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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