ベトナムにおけるダイオキシン類暴露と性ホルモン・前立腺がんに関する疫学研究

2013 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 23406018
• Section: 海外学術
• Research Institution: Kanazawa University
• Principal Investigator: 城戸 照彦 金沢大学, 保健学系, 教授 (20167373)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中川 秀昭 金沢医科大学, 医学部, 教授 (00097437)
• Project Period (FY): 2011-04-01 – 2014-03-31
• Keywords: ダイオキシン類 / ステロイドホルモン / 枯葉剤 / ベトナム / 国際環境保健

Research Abstract

前年度の2013年3月に金沢で開催された第83回日本衛生学会で発表後、次の2点を中心により深い解析を実施した。
第1に、枯葉剤濃厚汚染地区のPhu Catを3地区に分類し、対照の非散布地区と合わせた計4地区で比較検討した結果、元米軍基地を含む地区で個々の異性体を含めてダイオキシン類の濃度が最も高く、次にその近隣地区が高く、基地から最も遠い地区で相対的に低い（但し、5つの異性体の濃度は非散布地区より有意に高い）という、地理的条件とダイオキシン濃度の関連性をより明確にすることができた。
第2に、ダイオキシン類とステロイドホルモンとの関係について、前年度は、「テストステロンとエストラジオールは散布地区の方が有意に高く、反対にデヒドロエピアンドロステロン（DHEA）は散布地区の方が有意に低かった。特に、DHEAはダイオキシン類と有意な負の相関を示した。」ことを報告した。25年度は、さらに散布地区48名と非散布地区38名の男性を対象に解析を深めた。ダイオキシン類濃度に影響すると考えられる4因子（年齢、BMI、現在の職業と喫煙歴）を調整し、血液中のダイオキシン類と各ステロイドホルモンの関連性について重回帰分析を用いて検討した。その結果、各ホルモンとダイオキシン類との間には有意な関連性は認められなかった。但し、調査対象数が限定されているので、今後例数を増やしての検討が必要だと考える。
これらの結果は、2013年8月に大韓民国の大邱で開催された国際会議DIOXIN2013で大学院生のManh君(ベトナム人)と孫君(中国人)が発表した。さらに、上記内容を国際誌に投稿し、Manh君の筆頭論文は、Environmental Science & Technology (IF=5.3)に既に掲載された。孫君の筆頭論文は、Biomarkers (IF=2.2)に受理され、掲載予定である。

Current Status of Research Progress

Reason

25年度が最終年度であるため、記入しない。

Strategy for Future Research Activity

25年度が最終年度であるため、記入しない。

Research Products

• [Journal Article] Serum Dioxin Levels in Vietnamese Men more than 40 Years after Herbicide Spraying. (2014)
  • Author(s): Manh HD, Kido T, Okamoto R, Xianliang S, Anh le T, Supratman S, Maruzeni S, Nishijo M, Nakagawa H, Honma S, Nakano T, Takasuga T, Nhu DD, Hung NN, Son le K.
  • Journal Title: Environmental Science & Technology Volume: 第48巻第6号 Pages: 3496-3503頁
  • DOI: 10.1021/es404853h
  • Peer Reviewed
• [Journal Article] Relationship between dioxin and steroid hormones in sera of Vietnamese men. (2014)
  • Author(s): Sun XL, Kido T, Okamoto R, Manh HD, Maruzeni S, Nishijo M, Nakagawa H, Honma S, Nakano T, Takasuga T, Nhu DD, Hung NN, Son LK.
  • Journal Title: Biomarkers Volume: In Press Pages: In Press
  • DOI: 10.3109/1354750X.2014.899626
  • Peer Reviewed
• [Presentation] Current elevated dioxin level in serum of Vietnamese old men： Past exposure or current exposure
  • Author(s): Manh HD, Kido T, Okamoto R, XianLiang S, Maruzeni S, Nishijo M, Nakagawa H, Honma S, Nakano T, Takasuga T, Nhu DD, Hung NN, Son LK
  • Organizer: DIOXIN 2013
  • Place of Presentation: Hotel Inter-Burgo DAEGU 大邱（大韓民国）
• [Presentation] The relationship between dioxin and steroid hormones in serum of Vietnamese men
  • Author(s): Sun XL, Kido T, Okamoto R, Manh HD, Maruzeni S, Nishijo M, Nakagawa H, Honma S, Nakano T, Takasuga T, Nhu DD, Hung NN, Son LK
  • Organizer: DIOXIN 2013
  • Place of Presentation: Hotel Inter-Burgo DAEGU 大邱（大韓民国）