2013 Fiscal Year Annual Research Report
国際的格差社会を生き抜くための人間の安全保障から考える健康生活確保と地域社会要件
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23406040
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大西 真由美 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60315687)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会格差 / コミュニティ力 / 家族力 / 人間の安全保障 / サブサハラ・アフリカ |
Research Abstract |
タンザニアにおける学童期にある子ども達の身体計測(身長、体重)ならびに24時間想起法インタビューによる食事調査を実施した。調査対象者は、ダルエスサラムの中心部と郊外、モシの中心部と郊外において、10歳から14歳の小学校就学している子ども達から712人(男子: 321人、女子: 391人)をリクルートした。 いずれの年齢においても男子よりも女子の方が、身長が高く、体重も多い傾向が観察された。一般的に女子の方が男子よりも1-2年早く二次性徴が発現することから、これらの年代の子ども達においては女子の方が体格の成長が早く進んでいることが考えられる。 性別、年齢、体重を調整した線形回帰分析では、父親が生存していないことが低身長に影響していた(P=0.002)。また、性別、年齢、身長を調整した線形回帰分析では、体重と父親の生存に関連は認められなかった(P=0.395)。一方、母親の生存と身長(P=0.867)あるいは体重(P=0.717)には関連は認められなかった。 過去に実施したナイジェリアにおける調査では、母親が養育者である場合、それ以外の者(祖父母、伯母・叔母、姉妹等)が子どもを養育している場合よりも良い食事摂取状況が示されたが、今回のタンザニアにおける調査結果について、今後更に食事摂取状況(回数・内容)について詳細に分析していく予定である。 加えて、タンザニアでのHIV養成女性の健康水準、健康観に関する調査も実施した。モシにおける保健センター等を受診するHIV陽性女性らは、ダルエスサラムの保健センター等を受診するHIV陽性女性らに比べ、ヘルスリテラシー水準が低い傾向にあることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していたデータ収集は、ほぼ予定通り終了した。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度は、最終年度であり、これまでに収集したデータを総合的に分析し、不足する情報等については現地研究協力者らと共に補完し、学術論文としてまとめ、国際誌に発表することとする。また、翌年度以降の新たな研究計画に発展的につなげていく。
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