2012 Fiscal Year Research-status Report
幾何的特徴をもつグラフ構造に対する効率のよいアルゴリズムの研究と開発
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23500013
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
上原 隆平 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (00256471)
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Keywords | アルゴリズム / 計算幾何 / 折り紙 / グラフ理論 |
Research Abstract |
本研究では,折り紙に代表される「幾何的な情報をもつ構造」を研究対象とし,ここに「グラフ構造」とよばれる構造を導入してモデル化し,グラフアルゴリズムに関する手法で幾何的な情報を持つ構造上の問題を効率よく解くことを目指している. 平成24年度は申請者が在外研究制度を利用することができたため,1年間の間にさまざまな国に行き,現地の研究者と直接交流しながらダイナミックな研究を進めることができた.特に以下の3か所における研究は,大幅な成果を上げることができた. ①カナダ・バンクーバーのSimon Fraser Universityにて:グラフアルゴリズムの大家であるPavol Hell教授とともに,幾何的なグラフの特徴付けに関する研究を進めた.4方向の半直線で特徴付けできるグラフの新たな認識アルゴリズムについて特に研究し,一定の成果を得た. ②アメリカ・ボストンのMITにて:世界最高といえる大学で,折り紙数学の強力な研究推進者であるErik Demaine教授とともに,折り紙数学に関する幅広い研究を行った.彼のまわりにいる多くの優秀な研究者と共同研究で来たことの意義は大きい. ③スペイン・バルセロナのUPCとベルギー・ブリュッセルのULBにて:ヨーロッパでは二つの大学を移動して,両大学の計算幾何学グループと共同研究を行った.特にUPCのベテラン研究者であるFerran Hurtado教授と,ULBの若手研究者であるJean Cardinalとともに,幾何構造に関する研究を進めて,いくつかの成果を得た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,カナダ・バンクーバーのSFUとアメリカ・ボストンのMITで研究をしたあとで,ベルギーのULBに滞在する予定であった.しかしアメリカ滞在中に,共同研究者たちとの交流が深まり,研究も思いのほか進んだこともあり,ヨーロッパに移動する際にはスペイン・バルセロナのUPCでFerran Hurtado教授やその周辺の計算幾何学の研究グループとも共同研究すべきであるとの助言を受けた.そこで彼らの助力をえて,スペインにも滞在することができた次第である.Ferran Hurtado教授は,ヨーロッパの計算幾何学分野では誰もが認めるリーダーであり,彼のお膝元で彼のグループのメンバーと研究を共にできたことは,非常に意味のある期間であった.滞在中のみならず,ベルギーに移動したあともヨーロッパでの合宿形式の研究会などにも呼んでもらい,多くの知己をえた.この経験は,今後の研究の発展に大きく寄与すると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度はこの研究テーマのまとめの年である.在外研究の間にたまった,未発表の研究成果がいくつもあるので,主にアウトプットを重視した研究の推進が必要となる.こうした研究を適宜まとめて,順次,国内外の論文誌や国際会議などで研究成果を積極的に発表することが今年の大まかな推進方策と言える.その一方で,今年度は国内における研究にも積極的に目を向けたい.特に折り紙というテーマに限っていえば,来年度,6回目の折り紙数学の国際会議が日本で開催される.申請者自身も主催者側の一員としてこの会議の開催に関与していく予定である.本研究テーマの延長線上にある,この会議の成功にむけての方向性を探っていくことも視野に入れた研究を進めていく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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[Journal Article] Coverage with k-Transmitters in the Presence of Obstacles2013
Author(s)
B. Ballinger, N. Benbernou, P. Bose, M. Damian, E. D. Demaine, V. Dujmović, R. Flatland, F. Hurtado, J. Iacono, A. Lubiw, P. Morin, V. Sacristán, D. Souvaine, and R. Uehara
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Journal Title
Journal of Combinatorial Optimization
Volume: Vol.25(2)
Pages: 208-233
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Ghost Chimneys2012
Author(s)
D. Charlton, E. D. Demaine, M. L. Demaine, V. Dujmović, P. Morin, and R. Uehara
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Journal Title
International Journal of Computational Geometry and Applications
Volume: Vol.22, No.3
Pages: 207-214
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Base location problems for base-monotone regions2013
Author(s)
Jinhee Chun, Takashi Horiyama, Takehiro Ito, Natsuda Kaothanthong, Hirotaka Ono, Yota Otachi, Takeshi Tokuyama, Ryuhei Uehara and Takeaki Uno
Organizer
International Workshop on Algorithms and Computation
Place of Presentation
Bangladesh
Year and Date
20130214-20130216
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