2014 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質形成の基盤となるニューロン動態制御機構のライブ観察に基づく解明
Project/Area Number |
23500410
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
榊原 明 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (20510217)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | ニューロン / 大脳皮質 / 細胞移動 / 形態形成 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は三次元的に進行する脳形成におけるニューロンの移動、樹状突起形成、神経軸索形成といった形態形成活動をライブで捉え、その根幹となる分子メカニズムを細胞生物学的見地から解明することを目指している。 これまでに、ニューロン移動後期段階の細胞形態制御機構にアプローチするための発現時期遅延型遺伝子発現実験系構築に必要な情報として、胎生期マウス大脳皮質において、ニューロン特異的な転写プロモーターであるアルファチューブリン(Ta)プロモーター、NeuroDプロモーターが発現するタイミングを解析し比較を行った。その結果、分化直後のニューロンにおけるNeuroDプロモーターの発現開始時期はTaプロモーターと比較して有意に遅いが、発現強度に関しては一過性のピークを示すことから、ニューロン移動の後期に相当する、より分化したニューロンにおける持続的な遺伝子発現には適さないことが判明した。つまり、Cre依存的な遺伝子発現系において、NeuroDプロモーターによるCreの発現制御とTaプロモーターによる持続的な遺伝子発現系を組み合わせることが、遅延型遺伝子発現系を利用したニューロン形態制御因子の過剰発現ならびに変異型分子を導入した細胞の表現型解析を進めるうえで有効であることが示唆された。また、Cre依存的なshRNA発現プラスミドの制御においても、NeuroD-Creを利用することで、その発現開始時期を遅らせることが出来ると考えられる。さらに、今年度は本研究から得られた知見を原著論文として発表するための投稿準備を進めるとともに、当該研究分野に関連する総説を執筆して発表した。
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Research Products
(3 results)