2013 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経損傷時の痛覚伝達経路でのL1ーCAMのリン酸化と可塑的変化に対する影響
Project/Area Number |
23500418
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
山中 博樹 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20340995)
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Keywords | 脊髄後角 / 可塑性 / 細胞間接着因子 / 神経傷害性疼痛 / Casein kinase 2 |
Research Abstract |
平成25年度はL1-CAMをリン酸化させる因子と神経因性疼痛の関連についての研究を行った。L1-CAMに対するKinaseについては、L1-CAMのSer 1181はCasein kinase IIによってリン酸化されるという先行研究の報告 (Wong et al., 1996 J Neurochem. 66:779-86, Nakata and Kamiguchi 2007 J Neurosci Res. 85:723-34) から、Casein kinase IIをL1-CAMリン酸化の候補因子としてのターゲットとした。この因子の発現をDRGと脊髄後角で検討し、免疫組織化学によってリン酸化L1-CAMとの局在を比較した。その結果、Casein kinse IIの発現が広範囲にわたっており、L1―CAMと特異的に同一局在を示すような免疫染色像は得られず、なおかつ末梢神経損傷によって発現変化を起こさないことがわかった。しかし、L1-CAM陽性の終末の多くがCasein kinse IIを発現しており、この結果をもとにCasein kinase IIの阻害剤である5,6-dichloro-1-β-D-ribofuranosylbenzimidazole (DRB) (Calbiochem)の慢性髄腔内投与を行い、リン酸化L1-CAMの動態を確認し以下の点を確認した。a) L1-CAMのリン酸化への影響の確認。この結果、髄腔内へのDRBの投与により末梢神経損傷による脊髄後角でのリン酸化L1-CAMの集積の減少が認められた。また脊髄後角へのL1-CAMのVaricosity様の集積の減少がみとめられ、Casein kinase IIによるL1-CAMのリン酸化がL1-CAMの一次求心性線維終末への集積の調節因子である事がわかった。b) DRBの投与による疼痛行動への影響を確認。また、限定的な動物数で疼痛行動への関与を、機械的刺激に対する逃避閾値を計測する事で行ったが、有意に疼痛行動を抑制する結果を得たが、タイムコースや薬剤量の検討の途中で年度の終了を迎えた。
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Research Products
(2 results)