2011 Fiscal Year Research-status Report
神経回路形成における多様化膜分子群クラスター型プロトカドヘリンの機能解析
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23500447
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平林 敬浩 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (40297015)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | プロトカドヘリン / 分子的多様性 / 接着分子 / 神経回路形成 |
Research Abstract |
多様化膜分子群であるクラスター型プロトカドヘリン (Pcdh)は、個々の神経細胞で差次的発現をし、神経回路形成時において細胞の個性化に寄与していることが示唆されている。本研究は同分子群の多様性を減少させた遺伝子改変マウス、およびクラスター型プロトカドヘリンを欠損したiPS細胞を用い、その分子的多様性がシナプス形成時の細胞選択や機能的回路形成に分子的どのように関与しているかを明らかにすることを目的とする。当該年度はこれまでに作製したPcdhα遺伝子上の14種類の可変領域エクソンを1種類にし、同分子群の多様性を無くしたマウス(Pcdhα1マウス)ついて電気生理学的解析を行った。その結果、同マウスにおけるでは野生型マウスとの相違点が観察された。これについては引き続き詳細な解析を進めていく予定である。また、クラスター型プロトカドヘリンを欠損したiPS細胞を用いた研究では、同細胞からキメラマウスを作製し電気生理学的解析を行ったが現在までに野生型マウスとの相違点は観察されていない。さらに細胞にクラスター型プロトカドヘリンの1分子種のみを発現する安定株を樹立、さらにin vitroで神経細胞に分化する実験系を確立がすることが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は分子的多様性がシナプス形成時の細胞選択や機能的回路形成に分子的どのように関与しているかを明らかにするために、クラスター型プロトカドヘリンの分子的多様性を無くした遺伝子改変マウスの解析、およびクラスター型プロトカドヘリンを欠損したiPS細胞を用いたキメラマウスの作製という当初の計画を達成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究ではクラスター型プロトカドヘリン分子群の多様性が中枢神経系における細胞の多様化に寄与するメカニズムさらに神経回路形成への関与を明らかにすることが目的であるが、解析の過程において同分子の多様性が「どの時期に」、「どの領域で」働いているかを明らかにすることが重要である。そこでこれらの点を明らかにするためにCreの発現依存的にコンディショナルに各クラスター型プロトカドヘリンの可変領域エクソンが減少する種々の遺伝子改変マウスの作製を行う。また、これら遺伝子改変マウス作製においては人工ヌクレアーゼをTALEN用いて短期間で作製することができる新たな実験系の開発も同時に行う。作製後の遺伝子改変マウスは神経回路形成における各時期の個体にCre発現ウィルスを投与あるいは、脳の各領域特異的にCreを発現するCaMKII-Cre(海馬)、L7-Cre(プルキンエ細胞)などの各種Creトランスジェニックマウスと交配することで種々の時期、領域でクラスター型プロトカドヘリンの分子的多様性を無くしたマウスとする。これらのマウスは解剖学的解析により神経回路異常などの表現型、各分子種の発現様式、さらには電気生理学的解析をする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度は遺伝子改変マウス作製を計画しているので、主にターゲティングベクター構築に必要な分子生物学的試薬、ES細胞培養試薬、およびマウスの購入に充てる。また、前年度に引き続きiPS細胞を用いるため、同細胞の培養試薬も購入する予定である。旅費については国内の学会および研究会に2件参加するために使用する。
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Research Products
(11 results)