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2012 Fiscal Year Research-status Report

哺乳類の歩行運動機能成熟における脊髄神経回路制御機構の発達

Research Project

Project/Area Number 23500460
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

西丸 広史  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (20302408)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小金澤 禎史  筑波大学, 医学医療系, 助教 (80431691)
Keywords神経科学 / 生理学
Research Abstract

我々の体の動きは中枢神経系の神経回路間の密接な相互作用によって生み出されている。しかし回路同士の相互作用やワイヤリング機構の詳細は未だに明らかではない。本研究では神経結合パターン形成異常による歩行運動の異常を示す遺伝子改変マウスを用いた新たな運動制御の実験モでルを駆使して、(1)運動出力を担う脊髄神経回路が大脳皮質運動野をはじめとする上位中枢によってどのよう に制御されているのか、(2)誕生から成熟するまでの間にどのような過程でこれらの神経回路同士のワイヤリングが起きるのかを、 マウス個体において神経回路レベルで明らかにすることを目的とする。これまでに軸索誘導因子のキメリンを欠損したマウス(キメリンノックアウトマウス)が野生型でみられる左右交代性の歩容とは異なり、左右が同期したウサギ様跳躍歩行を示すことを示している。本年度は、特に昨年度までに確立した興奮性ニューロン特異的キメリンノックアウトマウスの詳細な生理学的解析を行なった。まず、生後4週以降の成熟動物の歩容をビデオカメラで撮影し、歩行の際の左右肢の活動パターンを定量的に解析した。この結果、すべての動物で歩行の際の左右肢が交代性と同期性の二つのパターンを示した。また、同マウスの生後1週以内の新生児の脊髄摘出標本を用いて脊髄歩行中枢の出力パターンを解析したところの成熟動物と同じように、二つのパターンが見られた。特に短い歩行周期の際に同期したパターンが多く観察されたこの結果は本来、脊髄の同側に投射するべき興奮性ニューロンの軸索の混線がキメリン欠損マウスの跳躍様歩行の一因であることを示唆し、正常の動物の歩行中枢においてこれらのニューロンが重要な役割を担っていることを示唆していた。これらのマウスについて現在、詳細な生理学的・形態学的解析を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、神経結合パターン形成異常による歩行運動の異常を示す遺伝子改変マウスモデルの詳細な生理学的解析を行なった。それぞれの遺伝子改変マウスの成熟動物での歩行パターンの解析および新生児期にすでに形成される脊髄運動神経回路網の詳細な生理学的解析性質を行い、学会発表を行なっている。

Strategy for Future Research Activity

今年度は、新生児から成熟動物まで、それぞれの遺伝子改変マウスの発達過程における歩行のパターンの成熟過程を明らかにする。全身性キメリンノックアウトマウス、大脳皮質特異的キメリンノックアウトマウスについて、興奮性ニューロン特異的キメリンノックアウトマウスの新生児から成熟動物まで、各発達ステージにおける歩行の左右のパターンの発達を明らかにする。特にその歩行速度に注目し、歩くスピードによってどのように左右のパターンが変化するのか、それぞれのノックアウトマウでウサギ様跳躍歩行パターンが出現する条件を明らかにする。これらの三つの実験モデルを比較することで、皮質脊髄路からの入力および興奮性ニューロンの活動がどのように運動神経回路網運動の発現に関わっているのかを明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

今年度は、成熟動物および新生児の解析を中心に行なったため、当初計画したよりも使用したマウスの数、購入した薬品およびガラス電極などの消耗品の量が小さくなったことによって当該残額が生じた。次年度は生後発達途上の動物を含めて、さらに多くの発達ステージで詳細な解析を行なう予定であり、そのためのマウスおよび薬品およびガラス電極などの消耗品の購入、謝金、および研究成果発表・情報収集のための学会出席の旅費に使用する予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) Presentation (4 results) (of which Invited: 3 results)

  • [Journal Article] 歩行運動発現における脊髄抑制性ニューロンの役割2012

    • Author(s)
      西丸広史
    • Journal Title

      Clinical Neuroscience

      Volume: 30 Pages: 1371-1374

  • [Presentation] Unravelling the neuronal mechanism of the spinal locomotor network -what we learn from hopping mice-2012

    • Author(s)
      Nishimaru H
    • Organizer
      International Symposium on Organization and Function of the Nervous System
    • Place of Presentation
      東京
    • Year and Date
      20121127-20121127
    • Invited
  • [Presentation] Abnormal output pattern of the spinal locomotor circuit of the VGLUT2-positive-neuron-specific alpha-chimerin knockout mouse2012

    • Author(s)
      Nishimaru H, Borgius L, Iwasato T, Kunugise Y, Itohara S, Kiehn O
    • Organizer
      The Society for Neuroscience 41st Annual Meeting
    • Place of Presentation
      New Orleans, USA
    • Year and Date
      20121016-20121016
  • [Presentation] マウス脊髄運動中枢における抑制性介在ニューロンの機能と発達分化2012

    • Author(s)
      西丸広史
    • Organizer
      第35回日本神経科学会大会
    • Place of Presentation
      名古屋市
    • Year and Date
      20120918-20120918
    • Invited
  • [Presentation] CPG研究の現状と展望: これまでにわかっていること・わかっていないこと」2012

    • Author(s)
      西丸広史
    • Organizer
      第6回Motor Contol 研究会
    • Place of Presentation
      岡崎市
    • Year and Date
      20120622-20120622
    • Invited

URL: 

Published: 2014-07-24  

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