2012 Fiscal Year Research-status Report
蛍光マウスを用いたX染色体不活性化のバイオイメージングと幹細胞研究
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23500492
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小林 慎 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 非常勤講師 (10397664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 勝 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30089875)
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Keywords | ライブイメージング / 遺伝子組み替え動物 |
Research Abstract |
申請者はX染色体にGFP遺伝子を組み込むことにより、X 染色体の不活化の状態を細胞を生かしたまま簡便に見分ける方法を編み出すとともに、X染色体上に新規のインプリント遺伝子が存在することを発見している。X染色体不活化は現在、幹細胞の多能性を評価することができる指標としても注目を浴びるようになったが、これまで簡便なモニター法は報告されていない。本基盤研究では「リプログラミング」の実体を遺伝子レベルで可視化するという、新しい領域に踏み込み研究を行おうとするものである。X染色体の不活化を連続的にLive imagingとして検出する方法は申請者の独創的な試みであり、研究の成果はヒトなどのES細胞の効率的な作製などにも寄与するものと期待でき、再生医療の発展にも大きな影響を与える可能性 がある。 本研究ではこれまでの手法を更に発展させ、蛍光タンパク質のノックイン型のターゲティングベクターを作製し、XYおよびXXのES細胞を用いて、標的部位に相 同組み換えにより蛍光タンパクを挿入し、不活化状態を検出する予定である。前年度では、2種類の核移行シグナル(NLS)をGFPタンパクに融合させ、その蛍光強度、および細胞内の局在パターンを検討し、最適なNLSを選択した。これら蛍光蛋白をコードする遺伝子を細胞に染色体に挿入する時には、挿入位置や挿入方向が発現に及ぼす影響を及ぼす可能性が考えられる。今年度は、これらの点について評価するため、複数のベクターを作製し比較検討を行った。得られたES細胞について未分化状態及び、分化誘導をかけた状態での蛍光強度の観察を行い、蛍光強度の変化の有無を調べた。この解析により、蛍光強度変化の少なく安定して蛍光が観察出来る組み替えES細胞を絞り込むことに成功した。モニタリングシステム完成のための準備が進行し、研究の基盤が順調に整いつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度は、2種類の核移行シグナル(NLS)をGFPタンパクに融合させ、その蛍光強度、および細胞内の局在パターンを検討し、最適なNLSを選択した。これら蛍光蛋白をコードする遺伝子を細胞に染色体に挿入する時には、挿入位置や挿入方向が発現に及ぼす影響を及ぼす可能性が考えられる。この点に関しては、今年度の解析結果より、蛍光強度変化の少なく安定して蛍光が観察出来る組み替えES細胞を絞り込むことに成功した。モニタリングシステム完成のための準備が進行し、研究の基盤が順調に整いつつある。ライブイメージングに必要なES細胞の相同組み替えによるターゲティング実験の目処がついた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、組換えES細胞からキメラマウス作製し,個体で不活化が正確に検出来るかどうかについて、モニタリング系の評価を行うとともに、組換えES細胞についてリプログラミング過程を追跡する。 分化状態から未分化状態、またその逆の過程について細胞を用いた系を用いて解析することにより、リプログラミング時に、何が起こっているのかを明らかにする。 解析時に用いる指標としては、遺伝子発現、エピジェネティックマークの変化を計画している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品として、培養細胞用試薬、実験用試薬及び実験動物に60万円。国内研究打ち合わせ、に10万円。外部委託に50万円使用する計画である。
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Research Products
(7 results)