2011 Fiscal Year Research-status Report
糖転移酵素ノックアウトマウス表現型と糖鎖機能を解明する方法論の開発と実証
Project/Area Number |
23500493
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉原 一司 金沢大学, 医学系, 技術専門職員 (10377418)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 雅秀 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (50251450)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 遺伝子改変動物 / 糖鎖生物学 |
Research Abstract |
β4GalT-2単純ノックアウトマウスの行動学的解析からβ4GalT-2が合成するガラクトース糖鎖が中枢神経系で機能を持つことが明らかとなり、β4GalT-2が主要な働きを持つ脳領域或は細胞の特定を行い、個体から機能糖鎖分子に至る手がかりを得る為に新しいノックインマウスの作製に取りかかった。 本年度は、β1,4-ガラクトース転移酵素-2(β4GalT-2)遺伝子座へのLacZノックインマウス及び、機能回復型β4GalT-2コンディショナルノックアウトマウス作成のためのターゲティングベクターの作成に取りかかり、E14-1 胚性幹細胞(ES)由来ゲノムDNAを用いて右腕・左腕相同領域増幅やベクターの各パーツの作成を行った。 また、ターゲティングを行うE14-1 ES培養に用いていたウシ胎児血清が未分化維持に適さなくなってしまったため、ES細胞培養に適したウシ胎児血清のロットチェックを行なった。具体的には、10e3個播種したES細胞から生着しコロニーを形成する効率を求める検定と、ES細胞を7回継代後のキメラマウス作成効率を求める検定を行い、最も成績の良かったロットの血清の購入を行った。 また、ノックアウトマウス作成の為に血清を用いない新たな培地の利用を検討するため無血清培地を用いてES細胞培養、キメラ作成を行った。その結果、ES細胞培養では未分化維持に優れた性能を持つことが明らかになったが、スクリーニング時にフィーダー細胞とESコロニーがうまくはがれないなど、手技的な困難が多く存在し、スクリーニング効率が著しく悪くなることが明らかとなった。よって今後、キメラ作成には無血清培地を利用し、スクリーニングは新たに購入した血清を用いて行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ターゲティングベクターを構築中であるが、技術職員として業務の多忙及びES細胞培養用血清のロット交換等が重なり、予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
可及的速やかにノックインマウス作成を完了し、表現型解析まで進めたいと思っている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ターゲティングベクター作成に手間取り、その後のES細胞スクリーニング、キメラマウス作成未実施分が次年度使用額の大半を占めており、早急にこれらを行いたい。また、表現型解析や合わせて用いるレンチウイルスベクター準備等に使用する。
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