2011 Fiscal Year Research-status Report
マイクロミニピッグの基盤整備:MHC固定ブタの作出と細胞免疫学的特性の解析
Project/Area Number |
23500502
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
安藤 麻子 東海大学, 医学部, 准教授 (40101935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椎名 隆 東海大学, 医学部, 准教授 (00317744)
北川 均 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (70144003)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | MHC / SLA / ミニブタ / MHC固定ブタ / ハプロタイプ / 中型実験動物 |
Research Abstract |
世界最小サイズの超小型ミニブタであるマイクロミニピッグ(MMPs)について、本研究では、MHC (主要組織適合抗原遺伝子複合体) 固定MMPsの作出と、MHC(SLA)遺伝子の機能と密接に関連するリンパ球の免疫学的特性を解析することにより、中型実験動物としての基盤整備を目指す。2011年度は、MHC固定MMPsの作製のために、58頭のMMPsについて、SLAクラスII-DRB1と -DQB1遺伝子を増幅するプライマーセットを用いた末梢血全RNAのRT-PCR産物の塩基配列解読により、アリルタイプを決定した。この結果、MMPs集団には、DRB1: 8種類、DQB1: 6種類の4桁レベルのアリルが検出された。さらに、これらのブタの交配により誕生した次世代のタイピング結果から、この集団には、これらのDRB1, DQB1アリルから構成される8種類のSLAクラスIIハプロタイプ (Hp-0.11, -0.13, -0.16, -0.17, -0.18, -0.23, -0.37, -0.7)の存在が明らかになった。これらのハプロタイプの中で、3種類は我々がこれまで作出したクラウンミニブタやデュロック種ブタのSLA固定ブタと同一タイプであったが、他の5種類は国内のSLA固定ブタでは検出されていないハプロタイプであった。これまでのSLA固定ブタとは異なるハプロタイプを含め、多様なハプロタイプを持つMMPsによるSLA固定ブタの作出は、医工学用実験動物としての利用価値が高いと考えられ、交配によるホモ個体の作出を試みた。8種類のハプロタイプの中で、最も出現頻度が高いHp-0.23の他、Hp-0.17の合計2ハプロタイプは、これらのハプロタイプをホモに持つと考えられる個体が見出された。今後、他の6ハプロタイプについてもホモ個体の作出のための交配とSLAタイピングを続ける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロミニピッグのMHC (SLA)-DRB1, -DQB1アリルをP CR-SBT法 (Sequence-based typing method)により、4桁レベルで解析し、この集団のSLAクラスIIタイプとハプロタイプの種類、並びに出現頻度を明らかにすることができた。現在、PCR-SSP法 (Sequnce-specific primers method) または、PCR-SSOP (Sequence-specific oligonucleotide probes) -Luminex法を用いた簡易タイピングにより、SLAハプロタイプをホモに有する個体の識別のためのクラスIIハプロタイプ解析の迅速化と簡便化も進みつつある。したがって、MHC固定マイクロミニピッグの作出のためのSLA解析は、当初の計画通りおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2011年度に明らかになったマイクロミニピッグのSLAクラスIIハプロタイプについて、各ハプロタイプをホモに有する個体の作出のための交配とタイピングによる確認を継続して行う。 一方、マイクロミニピッグのSLAクラスI遺伝子のアリルタイプについても、現在、解析を進めており、SLAクラスI遺伝子とクラスII遺伝子のアリルタイプから構成されるこの集団のSLA領域全体のハプロタイプを明らかにし、SLAクラスI, IIハプロタイプ固定ブタの作出を目指す。この過程で、SLA固定ブタの作成を効率良く進めるために、各ハプロタイプの簡易タイピング法も確立する予定である。 また、中型実験動物としてのマイクロミニピッグの基盤整備のために、SLAハプロタイプ固定ブタを用いて、リンパ球混合培養反応、リンパ球貪食能などのSLA遺伝子の機能と密接に関連する免疫学的特性の解析を進める計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2012年度の研究費は、2011年度と同様、主としてPCRや塩基配列解読によるSLAタイピングのためのプライマーやプローブ、各種酵素類、核酸抽出用キット類、並びにリンパ球混合培養反応などの細胞免疫学的特性解析のための培養関連試薬類などの物品費として、使用する。また、本研究の当初の予定通り、研究費の一部は、国内外の学会における本研究の研究成果発表と研究打ち合わせのための旅費、並びに本研究における末梢血からの核酸抽出とPCRや塩基配列決定などの実験補助のための謝金として、使用する計画である。
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Research Products
(8 results)