2012 Fiscal Year Research-status Report
再現性の高い免疫性不妊モデルの樹立とその予防・治療の試み
Project/Area Number |
23500504
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 正裕 東京医科大学, 医学部, 教授 (00232471)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 英一 東京医科大学, 医学部, 准教授 (20074718)
内藤 宗和 東京医科大学, 医学部, 講師 (10384984)
佐々木 啓 東京医科大学, 医学部, 講師 (20384969)
寺山 隼人 東京医科大学, 医学部, 助教 (00384983)
平井 宗一 東京医科大学, 医学部, 講師 (70516054)
曲 寧 東京医科大学, 医学部, 講師 (70527952)
池田 あゆみ 東京医科大学, 医学部, 助教 (90617515)
畑山 直之 東京医科大学, 医学部, 助教 (80534792)
|
Keywords | マウス / 精子抗原 / 精巣 / 自己免疫疾患 |
Research Abstract |
実験的自己免疫性精巣炎(EAO)は、精巣抗原に対する自己免疫により、精巣へのリンパ球浸潤と造精障害を引き起こす免疫学的ヒト男性不妊症の疾患モデルのひとつである。平成23年度は摘出した精巣・精巣上体・精管を同系のレシピエントマウスの腹膜に縫い付けるだけで、再現性の高いEAOを誘導することを明らかにした。平成24年度はEAOモデルを用いて、自己免疫性精巣炎を誘導する自己抗原の解析を行った。精巣抗原タンパクの解析としてWestern blot法、2次元電気泳動、また詳細な局在解析として免疫電顕を行った。血清内のEAO抗原の発現をWestern blot法にて解析した結果、精子および精子細胞に対する自己抗体が経時的に増加することが示された。また、2次元電気泳動にて30種類以上の自己抗原が検出された。現在、検出された抗原タンパクをマス解析法に用いて同定している。さらに、免疫電顕にて抗原の局在は先体、細胞膜、細胞質と様々な場所に発現している事を明らかにした。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
従来、マウスにEAOを誘導する場合、精巣ホモジネートとComplete Freund’s Adjuvant (CFA)を混合させ、さらに百日咳死菌(BP)静注を追加し、複数回免疫する必要があった。これまでに、このTH+CFA+BPモデルを用いてEAOを誘導するtarget antigenを同定する試みが行われてきました。 しかしながら、TH+CFA+BPモデルでは生殖細胞以外のセリトリ細胞や間質の細胞などに対する抗体も産生されるため、抗原の同定は困難であった。また、我々はCFA+BPだけでも精巣抗原対する自己免疫反応が誘導されることを示している。一方で、我々の開発したTGCのみでEAOを誘導するモデルは、生殖細胞に対する抗体のみが産生されることを明らかにしている。今回、より精子・精子細胞に特異的なこの疾患モデル用いて、自己抗原タンパクの同定を行なうことで、EAOを誘導する抗原の特定に繋がると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
精巣抗原に特異的な制御性T細胞樹立のために「粗製抗原」から自己抗原をいくつか精製する。そのために、精巣特異的タンパク質が本EAOの発症と制御に関わる重要なタンパク質と考え、二次元電気泳動にて精巣、精巣上体および精管のタンパク質を分離し、免疫沈降法を用いてEAOを発症したマウスの血清抗体と反応させ、精巣上体・精管タンパク質には認められない精巣固有の反応タンパク質を回収して質量解析にかけてアミノ酸配列を決定し、リコンビナントタンパク質精製技術にて「精製抗原」を大腸菌に作らせたものを解析する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は総額943千円の研究経費を計上した。その積算根拠として、実験動物のためのマウス代(食餌含)300千円を計上した。さらに、消耗品としてスライドグラス34千円、培養・Sorting関連試薬161千円、抗原精製のための薬品類(二次元用電気泳動用、質量分析用、タンパク生成用カラム、大腸菌他)448千円を計上した。
|
Research Products
(8 results)
-
-
-
-
-
[Presentation] 精巣とサイトカイン2013
Author(s)
寺山 隼人, 内藤 宗和, 曲 寧, 平井 宗一, 畑山 直之, 伊藤 正裕
Organizer
第118回日本解剖学会総会・学術集会
Place of Presentation
香川
Year and Date
20130328-20130330
Invited
-
-
-