2013 Fiscal Year Research-status Report
再現性の高い免疫性不妊モデルの樹立とその予防・治療の試み
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23500504
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 正裕 東京医科大学, 医学部, 教授 (00232471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 英一 東京医科大学, 医学部, 准教授 (20074718)
内藤 宗和 東京医科大学, 医学部, 講師 (10384984)
佐々木 啓 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教 (20384969)
寺山 隼人 東海大学, 医学部, 講師 (00384983)
平井 宗一 東京医科大学, 医学部, 講師 (70516054)
曲 寧 東京医科大学, 医学部, 講師 (70527952)
池田 あゆみ 東京医科大学, 医学部, 助教 (90617515)
畑山 直之 東京医科大学, 医学部, 助教 (80534792)
林 省吾 東京医科大学, 医学部, 講師 (60349496)
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Keywords | マウス / 精子抗原 / 精巣 / 自己免疫疾患 / 抗原解析 |
Research Abstract |
実験的自己免疫性精巣炎(EAO)は、精巣抗原に対する自己免疫により、精巣へのリンパ球浸潤と造精障害を引き起こす免疫学的ヒト男性不妊症の疾患モデルのひとつである。平成23年度まで再現性と重症度の高いEAOモデルを確立した。平成24年度はこのEAOモデルを用いて、自己免疫性精巣炎を誘導する自己抗原の解析をWestern blot法、2次元電気泳動で行った。平成25年度は2次元電気泳動にて検出された30種類以上の精管・精巣上体には発現していない精巣特異的抗原タンパク質のSpotsを回収し、MS解析法に用いて同定した。確定できた多数のタンパク質の中には、HSP70関連のタンパク質があったことを明らかにした。現在、確定できたタンパク質を回収して質量解析にかけてアミノ酸配列を決定し、リコンビナントタンパク質精製技術に用いて「精製抗原」を大腸菌に作らせたものを解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
近年、自己免疫性精巣炎は、ヒト男性不妊症の原因として注目されている。従来のEAOモデルでは生殖細胞以外のセリトリ細胞や間質の細胞などに対する抗体も産生されるため、抗原の同定は困難であった。現在、我々は生殖細胞に対する抗体のみが産生されたEAOモデル用いて、より精子・精子細胞に特異的な免疫性精巣炎の自己抗原タンパクの同定を行なうことで、EAOを誘導する抗原の特定に繋がると考えられる。また、リンパ球移入実験による疾患誘導リンパ球と疾患制御リンパ球の同定する予定があり、その抗原に対して特異的な制御性T細胞株を樹立し、免疫学的造精機能障害の予防・治療の道筋をつけることを目的とする。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の実験で疾患感受性の高いA/Jマウスを用いてリンパ球・血清の移入実験を行う。細胞移入実験は、magnetic cell sortingと抗CD4抗体、抗CD8抗体、抗B220抗体、抗CD25抗体、抗FR4抗体を利用したリンパ球分画による移入を行う。また、EAOを実際に発症しているマウスから脾細胞を採取し、「精製抗原」で刺激した後に、magnetic cell sortingを用いてCD25(+)FR4(+)のリンパ球を分画し、精製抗原で反復刺激をしながら継代培養する。「精製抗原」の種類と同じ数だけ細胞株の種類を揃え、EAOさまざまな時期のマウスに移入する。そのマウスの精巣組織の詳細な観察、・フローサイトメトリーによる脾細胞のリンパ球分画(CD4, CD8, B220, CD25, FR4)、Real time RT-PCR法による精巣および脾臓中の各種サイトカインmRNAの測定、ELISA法による血清自己抗体と各種血清サイトカインの測定を行い、治療可能なプロトコールが確立する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、抗原の同定に使用する試薬の購入が予定より少なく済んだため、次年度使用額が生じた。 平成26年度は総額1,151千円を消耗品費として計上した。その積算根拠として、実験動物は細胞移入と治療に用いるマウスを含め100匹前後使用する見込みで、マウス代(食餌含)として341千円計上しました。その他薬品類(各種抗体、フローサイトメトリー関連試薬、Real time RT-PCR用プライマー、ELISA関連試薬他)810千円を計上した。昨年度に引き続き、金額に誤差が生じないように努める。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Cadmium exposure increases susceptibility to testicular autoimmunity in mice.2014
Author(s)
Ogawa Y, Itoh M, Hirai S, Suna S, Naito M, Qu N, Terayama H, Ikeda A, Miyaso H, Matsuno Y, Komiyama M, Mori C.
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Journal Title
Journal of Applied Toxicology
Volume: 33(7)
Pages: 652-660
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Effects on the local immunity in the testis by exposure to di-(2-ethylhexyl) phthalate (DEHP) in mice.2013
Author(s)
Kitaoka M, Hirai S, Terayama H, Naito M, Qu N, Hatayama N, Miyaso H, Matsuno Y, Komiyama M, Itoh M, Mori C.
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Journal Title
Journal of Reproduction and Development
Volume: 59(5)
Pages: 485-490
DOI
Peer Reviewed
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