2013 Fiscal Year Annual Research Report
骨梁構造の力学的異方性を考慮した骨体の患者別小規模モデルの構築
Project/Area Number |
23500514
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小関 道彦 信州大学, 繊維学部, 准教授 (50334503)
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Keywords | バイオメカニクス / 個体別モデリング / X線CT / 異方性材料 |
Research Abstract |
平成25年度はまず、本研究でこれまでに提案している異方性情報抽出アルゴリズムに対して機能追加を実施した。この機能追加により、異方性情報の抽出と同時に、パーシャルボリュームエフェクトと呼ばれるCT値の不正確性を補正することに成功した。パーシャルボリュームエフェクトとは対象物(骨)表面でCT値が低下する現象であり、パーシャルボリュームエフェクトが生じたCT画像に基づいて物性値の設定を行うと骨表面で本来よりも低い弾性率が設定されてしまうため、正確な患者別応力解析のために解決が求められていた。 さらに、これまでの研究では緻密骨に注目していたが、海綿骨に適用した場合の解析信頼性の検証を目的として、異方性を有する海綿骨状試験片の製作を行った。実際の海綿骨の骨梁構造のような異方性を有した模擬海面骨を作成する方法として、発泡樹脂に対して振動刺激を与えることにより空孔の形状および分布に異方性を設けることを試みたところ、生成される多孔質構造には明らかな方向性を観察することができた。まだ異方性の細かい制御には至っていないが、新しい模擬骨生成手段として期待される。 以上のことから、骨体の患者別応力解析において異方性の考慮を実現したことに加え、付随成果としてパーシャルボリューム効果の影響低減を実現し、骨種別の適用範囲も広がったことから、本研究の目的とする解析精度向上を達成できたと考える。
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Research Products
(2 results)