2013 Fiscal Year Annual Research Report
末梢動脈疾患に対するステント内再狭窄予防のための低侵襲温度制御温熱治療の開発
Project/Area Number |
23500565
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
尾原 秀明 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20276265)
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Keywords | ステント / 再狭窄 / フリーラジカル / 内膜肥厚 |
Research Abstract |
本研究の目的は、現在のステントの主流である金属性ステントに超高性能高周波磁界発生装置による磁場や超音波などの外部エネルギーを加えることにより熱やフリーラジカルを発生させ、血管平滑筋細胞の増殖を抑制し、外来などで簡便に繰り返し実施できる低侵襲なステント内再狭窄の予防方法を開発することである。原子が超音波などを受けて励起され、ペアの一方の電子が失われると、他者と反応を起こしやすい分子や原子になる。このようになった分子や原子をフリーラジカル(遊離基)と呼び、強い酸化作用で細胞障害性を有する。二酸化チタンに超音波を照射することでフリーラジカルが発生することが知られている。 本年度は末梢動脈疾患治療の主流であるニッケルチタン合金(ナイチノール)に超音波を照射し発生させたフリーラジカルによる生体組織への影響を確認する為、ゼノグラフトモデル(皮下腫瘍モデル)の側面にナイチノールステントを埋没させるモデルを作製した。超音波照射によりステント内狭窄を抑制できた結果から、ナイチノールを超音波照射により励起したフリーラジカルは動物モデル体内においても有効であることが確認された。 動物モデルでは、遺伝性高脂血症を呈し動脈硬化が誘導されるWHHLMIウサギの大動脈をフォガティーカテーテルで擦過し、2週間目にナイチノールステントを挿入した。前年度の報告のとおり、1カ月後の大動脈を採取、樹脂包埋切片を作製しての検討では再狭窄は見られなかった為、6か月まで延長したモデルを作製し、現在解析中である。
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