2013 Fiscal Year Annual Research Report
アミロイドβ線維化促進ペプチドを用いたアルツハイマー病早期診断装置の開発
Project/Area Number |
23500571
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
藤井 敏司 甲南大学, フロンティアサイエンス学部, 教授 (80271518)
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Keywords | アルツハイマー型認知症 / アミロイドβ / 電気化学 / センサー / バイオマーカー / 診断システム |
Research Abstract |
アミロイドβペプチド(Aβ)の凝集を促進するペプチド(AβAPP)を用いて、血漿中に極微量に含まれるAβを迅速、安価に定量化し、アルツハイマー型認知症(AD)の症状が顕在化する4,5年前に起こるとされる血漿中Aβ 濃度の低下を捉えて、AD発症リスクを喚起し、早期診断・治療に貢献できるようなデバイスの開発を目指して研究を行ってきた。 これまで、本科学研究費補助金で購入した電気化学水晶振動子マイクロバランス (EQCM) 装置を用いて、Aβの検出を試みてきた。EQCMチップ上に固定したAβAPPにより1時間以内にAβを凝集させ、約100 ngのAβを検出し、またチップを洗浄により初期化し再利用可能なことがわかっている。 本年度はさらなる高感度測定を目指して、EQCM装置を用いて、電気化学的にAβの検出を試みた。その結果、0.1 ~ 5 μMの範囲でAβを定量できることがわかった。検出自体は50 nMでも可能であった。また、電気化学的検出においても洗浄によりチップを初期化可能で、繰り返し利用できることがわかった。 当初の目的である血漿中のAβ濃度を測定する感度には至っていないが、あと2桁ないし3桁の感度向上により目的が達成される見込みである。今後、装置面およびチップ作製の工夫により、さらなる高感度化を図り、目的とするデバイスの開発につなげたい。
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