2011 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の日常身体活動の活性化に向けた介入方略の開発
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23500701
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
谷口 幸一 東海大学, 健康科学部, 教授 (20141161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 明智 文化学園大学, 現代文化学部, 准教授 (30289649)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 高齢者 / 身体活動評価票 / 身体活動活性化要因 / 環境要因 / ソーシャルサポート / ライフコーダー |
Research Abstract |
【目的】本研究では、高齢者の日常身体活動の実態を質問紙調査票で把握すると同時に、少なくとも正規の質問紙調査対象者(1500人)の中の5%程度には加速度センサー付歩数計(ライフコーダー、SUZUKEN社製)を用いて歩行数を客観的かつ正確に測定し、その測定値と対象高齢者の人口統計学的、心理的、社会的、環境的要因との関連について継続的に検討することを目的としている。本年度は、その第一年目に当たり質問紙調査の項目内容の精選化と限定対象者に対する歩数計装着の研究を開始した。【方法】対象者:65歳以上の高齢者約170名に対して、アンケート調査を実施した。調査項目:総合質問紙調査における対象者の日常身体活動量の測定には、高齢者用日常身体活動調査票(Physical Activity Questionnaire for Elderly Japanese;PAQ-EJ)を用いた。日常身体活動量に関連する要因については(1)人口統計学的要因:年齢、性別、体格指数(BMI)(2)心理的要因:運動Self-efficacy、老人性うつ・不安、転倒恐怖感(3)社会的要因:家族や友人の支援、医師の勧めなどのSocial-support(4)環境的要因:自宅周辺の地理的環境や自宅周辺の運動施設の有無、運動施設へのアクセスの利便性などから構成された。【結果】男女別の身体活動量(PAQ-EJ)得点と各変数の関係について偏相関分析(年齢を統制)を行った。男性群では、身体活動量得点は、運動Self-efficacy得点、運動Social-support得点、うつ尺度得点と統計学的に有意な関連を示し、運動環境得点とは有意な傾向を示した。女性群では身体活動量得点は、運動セルフ・エフィカシー得点及び転倒恐怖と統計学的に有意な関係を示した。2012年度はこの成果を踏まえ完成版総合質問調査と歩数計装着の介入的フィールド調査を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1000人規模の比較的多人数の調査集団を決定するために、かなり多くの時間を要したが、次年度以降の継続的な調査協力が得られることになり、今後の研究は、予定通りに進行する見通しである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度(2011年度)の研究代表者並びに研究分担者の直接経費の残高が総計約40万円なった。これは初年度のパイロットスタディ調査の成果の取り纏めがやや遅延したために研究成果の発表のための学会発表の機会が次年度以降に繰り越されたこと、並びに初年度に実施する総合質問調査と歩数計装着のフィールド介入実験の開始と回収データの整理作業が次年度に繰り越さざるを得なかったことが大きな要因であった。2012年度以降に、初年度分の研究成果報告の機会を設けるとともに、研究二年目の2012年度は、大規模総合質問調査の2回目の実施と歩数計装着のフィールド介入実験2年目を行なうとともに、それらのデータ整理と分析作業を引き続き行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記の研究を推進すべく、2回目の総合質問調査の実施と歩数計装着の2回目の介入実験調査を継続して実施していくことになるので、そのための「調査委託経費」が約60万円並びにデータの整理分析作業に要するアルバイト代金約50万円、消耗品代約5万円が必要となり、これらの経費が2012年度の予算額の内訳である。
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