2012 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の日常身体活動の活性化に向けた介入方略の開発
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23500701
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
谷口 幸一 東海大学, 健康科学部, 教授 (20141161)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 明智 文化学園大学, 現代文化学部, 准教授 (30289649)
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Keywords | 高齢者 / 身体活動量 / 自己効力感 / 性格 / ソーシャルサポート |
Research Abstract |
平成24年度は、平成23年度の調査協力者約1500名を対象に、質問紙調査票を用いて身体活動量および身体活動量に関連する心理・社会・環境要因についてフォローアップ調査を実施した。同時に、高齢者50名(前年度調査協力者)を対象に、1ヶ月間にわたって加速度センサー付歩数計による客観的な身体活動量の測定を実施した。平成24年度の調査項目や測定方法などは平成23年度と同様である。 また平成23年得られたデータを基に、高齢者の日常身体活動量の多少と人口統計学的、心理的、社会的、環境的要因の関係について横断的に分析した。その結果、高齢者の身体活動量の多少には、年齢、性別などの人口統計学的な要因や身体能力やうつなどの心身の健康状態の他に、運動に対する自己効力感、ソーシャルサポート、環境への認知が統計学的有意に関連していることが明らかにされた。また、性格要因において外向性の高い高齢者は、低い高齢者と比較して、身体活動量(特に運動・スポーツによる活動量)が多いことが示された。これらの結果は、論文としてまとめ現在投稿準備中である。 本研究結果は、横断的な分析結果ではあるが、高齢者の日常身体活動を活性化させるための方略についての基礎資料となるともに、運動処方プログラムの作成や運動指導を実施する上で大いに役に立つものになるであろう。平成25年度は、縦断的な分析をすすめ、身体活動の関連要因が活動量の変化にどのような影響を及ぼすかについて、その因果関係を明らかにする。そして、これらの結果を基に、高齢者の日常身体活動活性化のためのプログラムを作成し、介入研究によって有効性を検証する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の研究計画に従って、日常身体活動量及びその関連要因の変化について追跡調査を実施した。データの分析に関しては、若干遅れているが、平成25年度はじめには分析も終了する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成23、24年度の調査から導き出された成果を踏まえて、高齢者の日常身体活動の活性化に向けた介入プログラムを作成する。さらに、東京都内・神奈川県内の高齢者を対象に、無作為割付対照化比較試験(RCT)デザインを用いた6ヶ月間の介入プログラムを実施し、介入前後での日常身体活動量の変化を検証していく。活動量の測定には、加速度センサー付歩数計(ライフコーダPlus・スズケン社製)を用いる。加速度センサー付歩数計は、歩数や活動強度、活動パターンを詳細かつ精確に1ヶ月間以上にわたって記録できる。 また、研究成果を論文としてまとめていくとともに、学会や市民向けの講演などにおいてその成果を広く公表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は、介入研究の実施の際の調査補助員や身体活動・質問紙調査データの整理・入力のアルバイトを雇用するための費用や、一連の研究成果を基にした高齢者向けリーフレット(小冊子)を作成し、配布するための経費がかかる。平成24年度同様に、必要に応じて研究成果を国内外の学術誌や学会で発表していく。そのための、論文投稿料、英文校正費用、学会参加費、交通費も必要となる。
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