2011 Fiscal Year Research-status Report
レクリエーションの教育・健康増進効果に関するエビデンスとフィージビリティ
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23500817
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
上岡 洋晴 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (30408661)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | レクリエーション / エビデンス / フィージビリティ / 介入研究 / ランダム化比較試験 / 教育 / 健康 / 治療 |
Research Abstract |
本研究は、レクリエーションの教育・健康増進効果に関するエビデンスとフィージビリティを明らかにすることを目的とし、主としてレビューによるアプローチを行っている。 初年度となる2012年は、目的達成ために、次の3つの基礎論文を作成し、各学術雑誌に掲載・受理された。その概要は次のとおりである。(1)世界的な医学データベース「PubMed」を活用して、2007年から2011年の期間に公表されたレクリエーションを題目に含む論文のレビューを行った。最初の抄録閲覧の段階で124編ヒットしていたが、最終的に適格基準に合致していたのは7編であった。レクリエーション介入によって慢性疾患を有する子どもから高齢者までの患者に対してのQOLやメンタルヘルスを明らかにしようとする研究が多かった。しかし、コントロール群が設定されていなかったり、コストや有害事象などを示していない研究も多かった。一方で、よくデザインされたランダム化比較試験や、介入研究のレビューのレビューがあり、介入方法やアウトカムに対して重要な示唆を与えていた。(2)医学データベース「医中誌Web」を活用して、2007年から2011年の期間に公表されたレクリエーションを題目に含む論文をレビューし、医学データベースに掲載されているレクリエーション研究の特性を検討した結果、看護師や介護者が職務として直面している入院患者や精神疾患患者に対して、補完療法あるいはQOLを高める効果を求めてレクリエーションを取り入れていることが多いことが明らかになった。(3)レクリエーションとしての水中運動による治療と健康増進効果を明らかにするために、介入研究のシステマティック・レビューのレビューを行った。その結果、運動器疾患において除痛効果が確実にあり、患者のQOL(生活の質)を高める可能性が高いことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、研究は順調に進められている。基礎となるレビューを3研究実施し、すべて学術雑誌に受理・掲載されている。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、レクリエーションによるリハビリテーション効果を明確にするため、介入研究(ランダム化比較試験と非ランダム化比較試験)のシステマティック・レビューを実施予定である。次いで、教育効果に関するレビューも実施予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
レビューのための専門司書による検索・論文収集業務に対する謝金や英文での論文作成のための校閲料、各種データの整理などの業務者への賃金、学会参加や研究協力者との打ち合わせのための出張などが主たる支出になる予定である。
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Research Products
(3 results)