2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500818
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山崎 憲 日本大学, 生産工学部, 教授 (00060046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀田 健治 日本大学, 理工学部, 教授 (00139106)
田村 治美 東邦音楽大学, 音楽学部, 講師 (50448891)
溝手 宗昭 帝京平成大学, 情報学研究科, 教授 (70009645)
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Keywords | 音響工学 |
Research Abstract |
これまで、音環境向上のための指針として、無響室内に複数の音源を置いて日常生活環境に存在する実際の音場に類似した空間を再現し、騒音源の同定に関するデータの収集と把握を行ってきた。その結果、騒音源を同定できることを明らかにし、音波伝搬の様相を考察し、快適な音空間の実現について考察してきた。昨年度においては、音楽療法的視点から着目しグラスハープを用いてリラックス効果に関する検討を行った。本年度ははグラスハープと同様に共振特性を持つオルゴールに着目した。オルゴールは今日において音楽療法に付随する療法であるが、人間に与える影響に関しては十分に研究されていない。そこで、20代前半の健常者に対してオルゴールを聞かせた場合の脳波、脳血流量(酸化ヘモグロビン量)、発汗量を測定して、実際にリラックスしているのかどうかを検討した。その結果として、オルゴールを聞かせると、脳波に含まれるα波が増加すること、酸化ヘモグロビン量が減少すること、発汗量の減少が大きいことを確認した。これらの結果から、リラックスしていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日常生活において常に存在する自然環境雑音は、従来、排除すべきものとされてきた。しかし、この自然環境雑音を逆に利用し、物体の映像化に利用できないかと考え、人間の身を安全に確保する技術開発として、日常生活する環境に存在する自然環境雑音による物体 の映像化に着目した。 まず、物体の映像化には、物体の形状を把握する必要性があり、物体からの反射波や散乱波が物体形状の認識において重要な要素であると考えた。そのため、音波の進行波と反射波の分離手法に関して、様々な文献調査などを行った。 これらの検討に加え、無響室内に様々な形状の物体を設置し、それに可聴音を当てたときの物体周辺の音場について解析を行う。そのため、申請機器であるコンデンサマイクロホンを使用して、物体周辺の音場における音響インテンシティを測定し、さらにこの音場の設定における音響シミュレーションの結果を用いて、実測値との両面から物体形状の違いによる物体周辺の音場変化について検討を行った。物体形状の認識においては、物体からの反射波や散乱波が重要な要素であると考えられ、物体周辺の音場において、物体からの反射波と散乱波の抽出をする。また、物体形状に奥行きがある場合の反射波と散乱波成分の違いについても検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
人工的な可聴音から自然界に存在する環境騒音に音源を替え、物体からの反射波や散乱波の検出を試みる。物体が存在する箇所周辺の音場と、存在しない箇所周辺の音場での反射波成分の大きさの違いに注目し、その強度から物体形状の抽出に適用することについての検討を行う。 また、反射波や散乱波から抽出された物体形状画像の解像度についての検討を行う。放射する音波の周波数などの関係から、物体形状の画像の解像度が最適となるような条件を明らかにする。また、物体が移動している場合の画像化についても検討する。 そして、実際に一般的な屋内で煙や霧などの状況における物体形状の画像化の検討を堀田の協力を得て明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では様々な要素が混在しているため、それらを様々な方向から個々に解析・検討する必要がある。データ解析を行う際、また、 現有機器を使用する際に消耗品が必要となる。申請する消耗品は音の解析の測定に必ず用いるものであり、本研究を行うにあたり必要 不可欠である。
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