2012 Fiscal Year Research-status Report
高齢者における血栓形成関連因子の日内・季節変動の解明
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23500850
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
石指 宏通 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50260807)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 芳光 大阪国際大学, 人間科学部, 教授 (70144566)
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Keywords | 老化 / 季節変動 / 日内変動 / VWF抗原量 / VWF活性 |
Research Abstract |
これまで、65歳以上の健常な高齢者15名と20歳前後の男子大学生15名を対象として、血栓形成において,分子糊として「向」血栓側へと作用するフォンビルブランド因子(VWF)について季節変動ならびに、それを修飾する老化の影響について検討してきた。その結果、高齢者、若者とも、最も気温の低くなる冬季(2月)にVWF抗原量が高値を示し、その傾向は高齢者において顕著であることを明らかにしてきた。 今年度は、VWF関連因子(VWF抗原量、VWF活性)の季節の影響に加えて、慨日リズム(日内変動)について高齢者と若年成人で比較検討した。高齢者のVWF抗原量についてみると、いずれの季節においても午前(AM)が午後(PM)よりも高値を示し、とくに冬季(2月)のVWF抗原量で日内変動が大きく、AMがPMに比べて有意に高い値を示した。また、VWF活性(リストセチンコファクター)についても各季でAM値がPM値よりも高い値を示した。これらのVWF関連因子の日内変動は若年成人についても同様の傾向が見られた。同時に測定したカテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)についてものAMに高くなっていることから交感神経系の働きがVWF関連因子を増加させる要因の一つとして関与している可能性が示唆された。 これらの結果は、高齢者において冬季の午前中はVWFが安静値レベルで量的にも質的にも高い状態にあり、血栓形成を引き起こしやすい状態であることを示唆するものである。スポーツ活動によるVWF産生の増加も考慮すると、実施に際して季節、時間帯等の十分な安全対策が必要であると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、春季(5月)、夏季(8月)、秋季(11月)、冬季(2月)の各季におけるVWF関連因子の季節変動、日内変動ならびに、それを修飾する老化の影響について、高齢者と若年成人とで比較検討を始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、季節変動、日内変動の結果から最も個人差の大きな時期、時間を設定するとともに、他の血栓形成関連因子との関連性を検討する。さらに個人の体力、体格、運動習慣や栄養状態を測定、調査し検討を加えていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
血栓形成関連因子の測定ならびに生活実態調査等を実施していく。 物品費400,000円 人件費300,000円 その他(検査)500,000円
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[Journal Article] ADAMTS13 activity may predict the cumulative survival of patients with liver cirrhosis in comparisonwith the Child-Turcotte-Pugh score and the Model for End-Stage Liver Disease score.2012
Author(s)
Takaya H, Uemura M, Fujimura Y, Matsumoto M,Matsuyama T, Kato S, Morioka C, Ishizashi H,Hori Y, Fujimoto M, Tsujimoto T, Kawaratani H,Toyohara M, Kurumatani N, Fukui H.
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Journal Title
Hepatol Res.
Volume: 42(5)
Pages: 459-72
Peer Reviewed