2012 Fiscal Year Research-status Report
若年性糖尿病患者における認知機能障害の発症・進展の原因解明
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23500858
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大村 千恵 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30459135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 友章 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30384077)
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Keywords | 認知機能障害 / 糖尿病 |
Research Abstract |
若年2型糖尿病を対象に、認知症発症の前段階である軽度認知機能異常(以下MCI)の疫学研究を行った。具体的には①64歳以下若年者を対象に、2型糖尿病とMCIについての関連を横断的に調べ、糖尿病が認知機能に与える因子を明らかにすること②若年2型糖尿病のMCI群の脳画像をage matchした認知機能正常者の脳画像と比較し、脳のどこの機能が低下しているのかを明らかにすることを目的とした。検査はトレーニングを受けた医師がスクリーニング検査であるMMSEとmoca test を行ない、MMSE≧24点かつmoca test ≦25点を軽度認知機能障害と定義した。 対象は、前年度までの選択基準で選んだ結果90例であった, このうち、50歳から64歳においてMCIの定義を満たした患者は60%であった。目的①に関してはこの2群について比較検討した。その結果、罹病期間、教育歴がほかの交絡因子で調節後も若年2型糖尿病の認知機能低下と有意に関連していることがわかった。 上記目的②に関しては、MCI群を診断された患者のうち、14名に脳MRI、脳SPECTを行った。そこで糖尿病群MCI N=14 ( 平均年齢62.9歳) と非糖尿病群 N=14(平均年齢64歳) の2群を群間比較したところ、糖尿病MCI群において視床と帯状回と小脳に血流低下の傾向がみられ(p=0.1)、若年2型糖尿病のMCIではこれらの場所の機能が低下しやすい可能性があることがわかった。大脳皮質の血流低下は2群間で差を認めなかった。まだ画像検査まで進んだ患者の人数が少数であるため、更に人数を増やす予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定した研究で試用する経度認知機能障害を検出するテストの一つである、MOCAテストの有効性が疑問視される論文が発表されたことにより、研究方法を変更する必要性が出てきている。このことから症例リクリートをいったん停止している。一方で代わりとなるテストを模索しており、現在では嗅覚を利用した認知機能障害の検出テストを利用した方法へ変更する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
MOCAテストから嗅覚を利用した認知機能障害へ変更する。【目的】2型糖尿病において嗅覚の低下と認知機能障害が関連しているかどうかを横断的に検討する。更に認知機能障害を呈していない症例に対し嗅覚低下が認知機能障害に先行しているかどうかを5年間前向きに検討する。【目標とする被験者数】250例、試験期間;平成24年10月~平成29年10月【評価項目】i認知機能検査 MMSE MMSE≦27点以下を認知機能障害と定義する1)嗅覚検査の結果をブラインドした状態で、静かな部屋で行うii嗅覚検査 open essence 7点以下(12点満点)を嗅覚低下と定義する2)検査の1時間以内はお水以外の飲食を禁止するiii採血:血算(WBC RBC Hb Ht Plt)生化学(血糖値、HbA1c インスリン CPR)尿中Alb/尿cre FT3 FT4 TSH 高感度CRP、IL-6 Cu セルロプラスミン Zn レプチン シスタチンC 葉酸 ビタミンB12)など iv身体測定 身長 体重 BMI血圧 v3大合併症(網膜症 腎症 神経障害)viうつ状態の評価 BDIviiアンケート 3年後 5年後に再評価を行う
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
250例に対して下記検査を行うために使用する予定。 【IL-6 Cu セルロプラスミン Zn レプチン シスタチンC 葉酸 ビタミンB12 嗅覚検査 MMSE用紙代金 BDI紙代金】
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