2013 Fiscal Year Annual Research Report
若年性糖尿病患者における認知機能障害の発症・進展の原因解明
Project/Area Number |
23500858
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
大村 千恵 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30459135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 友章 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30384077)
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Keywords | 糖尿病 / 軽度認知機能障害 |
Research Abstract |
軽度認知機能異常(以下MCI)と糖尿病との関連を若年2型糖尿病者90例を対象に横断的調査を実施し、90例中MCIの定義を満たした患者は36例、認知機能正常群が54例であった。この2群間での単変量解析では罹病期間、教育歴がMCI有と有意に相関した。MCI群の脳画像をage matchした認知機能正常者脳画像と比較した所、MCI群において視床と帯状回と小脳に血流低下の傾向を認めた(p=0.1)。MCIをMocaテストで抽出したが、Mocaテストの正当性に問題を指摘する論文が出たため現在ではMCIを抽出する方法として嗅覚検査(open essence)を利用した以下の研究を行っている。認知機能障害を指摘された事がない高齢2型糖尿病患者250人を対象に、嗅覚検査及び認知機能検査(MMSE)を施行。対象者をMMSEの点数で認知症群(D群)、軽度認知機能障害群(MCI群)、認知機能正常群(NC群)に分け、3群間における臨床背景因子を比較検討。MMSE点数と臨床背景因子との関連性を単相関解析、重回帰解析にて検討。嗅覚の点数はNC群、MCI群、D群の3群間で有意な差を認めた。年齢と尿酸はD群で有意に高値だった。単変量解析の結果、嗅覚、拡張期血圧、教育歴、葉酸、TCHO,LDLは認知機能と有意な正の相関を示し、年齢、HbA1c、AST、アディポネクチン、尿アルブミン排泄量は認知機能と有意な負の相関を示した。更に多変量解析の結果、教育歴、HbA1c、アディポネクチンに加えて嗅覚が高齢2型糖尿病の認知機能と相関する独立因子であった。(R2 = 0.478, P<0.01))以上より、高齢2型糖尿病において、嗅覚と認知機能は関連することが分かった。今後は前向き研究で嗅覚低下が認知機能障害の発症予測となるか検討予定。予測因子を明らかにし認知症発症を予防する事は超高齢者社会にとって有益と考える
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