2011 Fiscal Year Research-status Report
超高齢シニアアスリートの体力とライフスタイル(第3次継続研究)
Project/Area Number |
23500868
|
Research Institution | University of East Asia |
Principal Investigator |
勝田 茂 東亜大学, その他の研究科, その他 (70038446)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥本 正 東亜大学, 人間科学部, 教授 (70330727)
鰺坂 隆一 筑波大学, 体育系, 教授 (70151058)
久野 譜也 筑波大学, 体育系, 教授 (70242021)
向井 直樹 筑波大学, 体育系, 准教授 (70292539)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 超高齢アスリート / 身体能力 / ライフスタイル / 縦断的研究 |
Research Abstract |
本研究のねらい:ヒトはどこまでエイジングに逆らえるのか、どのようなライフスタイルが生活の活力源になるのか、について検討すること。 研究方法:各種スポーツ種目で、国内外で活躍している男女9名(女性7名・男性2名)、平均年齢90.4歳(83~96歳)について、2001年測定から10年後の2011年に、同一の項目について身体能力の測定(結果表示:2011/2001×100)及びライフスタイル調査を実施した。 研究結果:下肢等速性筋力、膝伸展60 度-29.0%, 膝屈曲60度-36.2%。最高酸素摂取量-26.9%。骨密度(大腿骨頚部)-21.3%。体力テスト、握力-14.4%、上体起こし-35.9%、長座体前屈-5.2%、開眼片足立ち-47.0%、10m障害物歩行-31.5%、反復横跳び-31.6%、立ち幅とび-40.9%、垂直とび-34.4%。ライフスタイル、練習量;週2回・1日1~2時間程度、生きがい;全員が現在行っているスポーツを生きがいとしている、睡眠時間;22時前後に就寝、睡眠時間は8~9時間の者が多い、年間旅行回数;平均5~6回。身体能力の面から見ると、静的な体力の低下率は小さいが、動的な体力はいずれも低下率が30%を超える。また、バランス能を示す開眼片足立ちは最大の低下率を示し、スポーツ実施の有無に関係なく低下し、超高齢者においては転倒の危険性があり、転倒防止のためのトレーニグが必要とされる。 加齢に伴う体力低下は、一般的に30~60歳代では年率約1%とされているが、今回の測定から、70→80歳代では2%、80→90歳代では3%の低下が認められ、とりわけ動的な体力の低下が顕著であることが判明した。また、高齢者にとってスポーツも生きがいに足るものに成り得ることが示された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象者について:当初の計画において、80・90歳代の超高齢アスリート30名について測定及び調査を実施するとしていたが、研究に参加できた被験者は9名(女性7名・男性2名)であった。このことについて、男性は10年前研究開始時点で全員が80歳を超えており、現在存命の者は7名、うち5名はスポーツを中止(100歳2名・93~96歳3名)、2名がスポーツを継続中で参加となった。女性は10年前測定開始当初、平均年齢が70歳代であり、その後の死亡確認者は1名、中止者・連絡先不明者を除き、6名が被験者として参加した。対象者が結果として当初予定を下回ったが、寿命・超高齢・体調等、さまざまな原因があり、止むを得ないことと考えている。 測定項目及び調査について:形態測定からライフスタイル調査に至る7項目の実施計画を立て、すべての項目について予定通り測定及び調査を実施した。結果の整理については、MRIによる下肢筋群の解析中であり、現段階で研究実施の概要報告に記載するに至っていない。 研究結果について:体力の低下は予想以上に大きく、とりわけダイナミックな動きを要求される種目及びバランス能の低下が顕著であった。平成24年度に実施予定の一般健常者とよく比較検討したい。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度にあっては、主として一般健常者の測定及び栄養調査(アスリート)を行う。一般健常者については、超高齢アスリートと同年代で、前回(2001年)測定に参加した被験者を対象にして、現段階で被験者として測定に参加可能な者について実施する。測定項目及び担当者は前年度と同様とする。 また、栄養調査いついては、10年前に超高齢アスリートのみ10名(男性5名・女性5名)の栄養調査を実施したが、そのうち現在までスポーツを継続しており、協力が得られる者について、前回と同様の調査(秤量方による食事調査)を実施する。 研究成果の発表については、平成23年度に得られた研究結果の一部を、本年度日本体力医学会総会(平成24年9月岐阜市で開催予定)において発表する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者、勝田茂:総括、栄等調査及び体力テストの実施、91万円。研究分担者、久野譜也:MRIによる筋量の測定及び筋力の測定、10万円。向井直樹:Dexa法による骨密度の測定、10万円。鰺坂隆一:メデイカルチェック及び呼吸循環機能の測定、10万円。奥本正:栄養調査及びライフスタイルの調査、20万円。
|