2012 Fiscal Year Research-status Report
環境に配慮した持続可能なライフスタイルを実現する環境教育の構築に関する研究
Project/Area Number |
23500873
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
木村 美智子 茨城大学, 教育学部, 教授 (70214898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大辻 永 茨城大学, 教育学部, 准教授 (20272099)
佐藤 裕紀子 茨城大学, 教育学部, 准教授 (00272740)
郡司 晴元 茨城大学, 教育学部, 准教授 (40311279)
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Keywords | 環境配慮行動 / ライフスタイル / 持続可能性 / 家庭科教育 / 消費者教育 / ゲーミング / 生活知識 / コミュニティ |
Research Abstract |
本研究では、持続可能な社会に向けて環境や資源に配慮した新たなライフスタイルを創造する視点から環境教育の再構築を目指しており、24年度は、大学生を対象として、環境配慮意識と行動に関する分析を進め、家庭科教育における環境アクション・プランを用いた指導の効果を検討するとともに、環境配慮意識と行動をつなぐ仕組み(ゲーミング)の設計に着手した。 (1)大学生の環境配慮意識・行動に関する調査は23年度から継続して実施・分析の結果、次のことが明らかとなった。大学生の環境配慮行動を促す要因として、生活に関連した知識の深さや消費者教育の経験が大きく関与していた。これに対して、大学生の親の環境配慮行動に関与している要因は、地域との関わりの深さ(町内会役員の経験や居住年数の長さ)が関与しており、大学生とは異なる傾向が認められた。なお、同じ内容の調査を韓国の大学生を対象として実施し、現在、データを分析中であり、日本の大学生との違いを比較検討する予定である。 (2)環境アクション・プランとは、資源や環境に配慮したライフスタイルの創造に向けて、自分や家族にできる身近な取り組みを考えて実践するもので、消費生活と環境との関わりをテーマとした学習で活用される教材である。大学生を対象とした質問紙調査の結果、自分の生活と環境問題との関わりに対する自覚や環境問題に対する主体者意識について一定の成果がみられ、「環境アクション・プラン」を使った実践的・体験的な指導方法の有効性が確認された。 (3)大学生の環境配慮行動は、生活や消費に関連した知識(生活知識と呼称する)に裏付けられていること、また、親の行動に強く関連しているのは地域との関わりの深さであったことから、「環境配慮意識と行動をつなぐゲーミング」設計においては、<生活知識>と<地域との関わり>の2つがキーワードとなることを確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
環境配慮行動に関与する要因が大学生では生活知識であり、親の場合には地域との関わりであることが明らかとなり、25年度に実施するゲーミングの設計指針を提示できたことは大きな成果である。一方、海外調査と国内調査との比較・分析については、24年度中に終了することが困難であったことから、25年度も継続して進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次の3つの方策を推進する。 (1)海外での消費者教育、環境教育の現状を把握し、日本との違いを明確にする。 (2)24年度の成果に基づき、環境意識―環境配慮行動をつなぐゲーミングを設計・実施する。 (3)国内・海外の調査、ゲーミング分析に基づき、環境に配慮した持続可能なライフスタイルを実現するための環境教育の枠組みを提案する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内調査・研究発表(宮城,東京,滋賀など)のための旅費、ならびに海外調査(スウェーデンを予定)のための旅費を使用する。ゲーミング実施にあたり、被験者への謝金を予定している。ゲーミングの評価・分析に使うソフトや図書、資料整理のための文房具を購入する。
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Research Products
(8 results)