2011 Fiscal Year Research-status Report
中等及び高等教育における家政教育の課題 -日米比較からの考察-
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23500897
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Research Institution | Fuji Tokoha University |
Principal Investigator |
増田 啓子 富士常葉大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (20387533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉本 敏子 三重大学, 教育学部, 教授 (60191053)
東 珠実 椙山女学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20247604)
古寺 浩 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (00249319)
鈴木 真由子 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (60241197)
田崎 裕美 静岡福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (70352854)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 国際情報交流 / 米国家族消費者科学会 / 表彰制度 / 家政教育 / 中等教育 |
Research Abstract |
今年度の研究成果の第一は、米国の家政教育の中等教育の実態を明らかにするために資料収集とヒアリング調査を行ったことである。そのため、研究代表者は米国家族・消費者科学会第102回年次大会に参加し、資料を収集するとともに、前学会長であるマリリン・スイーク氏に面談しヒアリング調査を行った。 そこで米国の教育プログラムの表彰制度であるTeacher of the Year Awardについて、過去の応募実績やプログラムの内容に関する情報を入手した。詳細なデータについては、スイーク氏の協力を得て、Eメールの交換をしながら、電子データを入手することができた。 第二は、日米の比較を行うために日本の家政教育の中等教育における課題について調査したことである。静岡県の教育委員会関係者、日本消費者教育学会関係者、家庭科教育関係者を対象としたヒアリング調査を実施した。特に家政教育プログラムの表彰制度の聞き取りをしたところ、日米における教員の表彰制度に大きな違いがあることが判明した。これらの結果を平成24年に開催される国際家政学会議で報告することを決定し、調査結果をとりまとめ投稿を行った。 さらに、米国の家政学および家政教育の課題を克服するためにスイーク氏と米国家族消費者科学会が実施している戦略について、日米の研究者が意見交流を行う場として24年度に開催される日本家政学会年次大会でシンポジウムを開催し、講師としてスイーク氏を招聘することを計画した。シンポジウムの開催に際しては日本家政学会国際交流委員会の協力を得て、スイーク氏の講演会として実施することを決定した。 スイーク氏とは講演会の実施に向けて講演内容の検討・資料作成等の相談をEメールを利用しながら進めた。 これらの目的を達成するために研究代表者、研究分担者、研究協力者による研究会を開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた調査はすべて実施することができ、目的としていた日米の家政教育の中等教育の課題を明らかにすることができた。 課題を克服するための戦略として米国で設立された教員表彰制度に関する情報(電子データ)を順調に入手することができ、これから分析作業に入ることができる。日本の情報についても調査を実施したが、米国にみられるような制度が存在しないため同様の電子データを得ることはできなかったが、事例としての情報を分析することとする。 また、日米の研究が意見交換する場として、次年度の日本家政学会でのシンポジウム(スイーク氏の講演会)を開催することを計画し、今後の研究への足掛かりができたといえる。 さらに、教員の表彰制度の日米比較については次年度開催の国際家政学会議で報告することになったので、日米以外の国々の情報を得ることができ、さらなる展開の可能性ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
日本家政学会第64回大会にてマリリン・スイーク氏の講演会を開催し、日米の研究者の意見交換を実施する。スイーク氏の来日時にヒアリング調査を実施し、米国の中等教育の課題と表彰制度の実態についてさらなる情報を得る。その結果を踏まえ、研究代表者、研究分担者、研究協力者との意見交換を予定している。 米国Teacher of the Yearを中心としたデータを分析し、米国の中等教育の実態をさらに明らかにし、日米の比較を行う。 それらの結果を取りまとめ、平成24年7月に開催される国際家政学会議にて日米家政教育の表彰制度の比較研究についての報告を行い、各国の家政学者との意見交流を行う。 さらに、高等教育における教育内容を中等教育における教育内容の接続の課題について教員養成上の課題についても日米の比較を行い、結果をとりまとめる。 これらの目的を達成するために、研究代表者と研究分担者、研究協力者による研究会を4回程度開催する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初は米国家族・消費者科学会への調査と情報収集は研究代表者と研究分担者の2名の費用を計上していたが、事前事後のメールのやり取りを活用したため、研究代表者1名の参加のみでおおむね目的を達成することができた。 さらに米国教員表彰制度の資料収集のために米国の学校訪問の費用を計上していたが、マリリン・スイーク氏の全面的な協力を得たため、Eメールのやり取りにより情報を電子データで入手することができ大幅に経費を節約することができた。そのため、次年度使用の研究費が生じた。 これについては、当初計上していなかったオーストラリアメルボルン開催の国際家政学会議での研究報告の費用として使用する。これには研究代表者と研究分担者の古寺と鈴木が参加する。この場で家政教育についての表彰制度について他国の研究者ともさらなる意見交流を行う予定である。 当初次年度の研究費として予定していた研究費は、日本家政学会第64大会におけるマリリンスイーク氏の講演会の開催およびヒアリング調査に使用する。意見交換を円滑にするために通訳・翻訳のために研究費を使用する予定である。 その他、研究代表者、研究分担者、研究協力者による研究会を4回程度開催するため、会議費用と交通費を計上している。
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