2012 Fiscal Year Research-status Report
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23500902
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
川端 博子 埼玉大学, 教育学部, 教授 (70167013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳴海 多恵子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90014836)
生野 晴美 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (80110732)
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Keywords | 授乳用ブラジャー / 耐久性 / 授乳機能 / ミルク汚染布 / 商品テスト |
Research Abstract |
本研究では、授乳用ブラジャーの消費性能の実態を明らかにすることを目的とし、着用性能、洗濯耐久性、洗浄性の側面からの追究を行った。 研究代表者の川端は、ハーフトップ型の4種のブラを14名の授乳期の母親の協力を得て継続着用をしてもらい、ブラのタイプと授乳のしやすさ、締めつけ感を比較するとともに、15回、25回、35回でブラの性能がどのように変化するかを調べた結果、耐久性は低いことが明らかになった。 分担者の鳴海は、クロスオープンタイプ(C1980とC680)の2種を使用し、継続着用を行い、授乳と洗濯の繰り返しによる形態変化と外観変化を観察した。別途、C1980とC680の布地を新品試料から採取し、30%の伸張10分、緩和5分を5回繰り返し、その後洗濯・乾燥の繰り返しを20回行った。各回で寸法計測と30%伸長に要する荷重を確認した。その結果、授乳ブラの形態は洗濯により収縮するが、授乳を繰り返すことにより、残留ひずみが生ずるものがある。このことから、授乳時には軽い力で伸ばすことができ、それを消費者は「ヨレヨレ・くたくた」と認識すると推測された。なお本研究を通して、同一製品間や同一サイズでのメーカー間の寸法差があり、寸法表記や品質管理上の課題が見いだされた。 分担者の生野は、授乳用下着に付着した乳汚れの選択による洗浄性を明らかにするために、ミルク汚染布と機械力評価布を用いて洗浄試験を行った。授乳用下着の素材(綿、ポリエステル)や洗剤の種類と使用量が汚れ落ちに及ぼす影響を調べ、洗濯中の機械力と汚れ落ちの関係について検討した。 以上の内容について口頭発表2件、審査論文1件を投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、分担者3名ともに実験に時間と経費を費やした。商品テストについては伸縮性素材で個体差が大きく、傾向がつかみづらい点もあったが、被験者の協力も得られて何とか1論文を作成することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の研究費は少額であり、これまでの研究成果のまとめが主となる。授乳用ブラに関する一連の内容を報告書にまとめることを主とする。これまで授乳用ブラに焦点を当てて研究をしてきたが、授乳時の衣服全般について検討を行うことが求められている。授乳時の冷えに関する実態について着手し、今後の研究につなげていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費は少額であり、これまでの研究成果のまとめが主となる。報告書の作成経費と論文掲載経費が主たるもので温度センサー類の補充と被験者および計測者への謝金に経費を計上する。
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