2012 Fiscal Year Research-status Report
体形と筋負担を考慮したパーソナルファッションのための基礎的研究
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23500908
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
村上 かおり 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (80229955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 智恵 三重大学, 教育学部, 教授 (60132437)
川口 順子 高知県立大学, 健康栄養学部, 准教授 (70347657)
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Keywords | 筋電位 / 日常動作 / 被服設計 / ジャケット |
Research Abstract |
誰もが快適に利用できる衣服を着用できる衣生活の営みのためには,年齢,体形,姿勢,身体能力といったパーソナルな情報に配慮した衣服が個々に設計されることが望ましい。そこで,様々な体形の人が日常生活におけるいろいろな動作により変化した姿勢において,どのような衣服が快適かを検証するため,着心地を客観的に測定できる方法の一つである生体信号を収録し解析を行うこととした。生体信号は着衣の拘束性に着目し,筋電位を測定した。筋電位の値から衣服の拘束性を把握し,筋肉への負担にどのような影響を及ぼすかについて分析を行った。 また今年度は衣服着用による衣服の拘束についての意識とそれに伴う疲労感について,様々な体形の人に衣服の着脱動作を行ってもらいながら,着心地,着易さについて意見を収集し,日常生活における衣服選択行動ならびに動作時の衣服の拘束感,それによって生じる疲労感と体形の関係が把握できる質問紙調査を行った。これらの調査,実験については,衣服の形状ができるだけシンプルで,装飾やデザインによる拘束性の緩和をもたらす「ゆとり」がない形状の条件で行うため,男性のジャケット着用時に条件を設定し,実験を行った。この実験結果の考察から,素材の比較条件を含め,平成25年度において違う条件での実験衣を着用した評価実験の実験条件について検討することができた。平成25年度の実験を円滑に行うためには,これらの検証は意義があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度初めに予定通り,生体信号収録装置を購入した。それを用いて,体形の違いや日常生活における動作の変化による人体形状の違いによって,衣服の着用に伴い,筋負担がどのように変化するのかの実験を行った。また着衣イメージから身体のどの部位に,どれくらいの筋負担がかかるのかを想定してもらった評価と,実際の筋電位の値との相関関係から,衣服の拘束イメージと筋負担との間にはずれが生じることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に行った実験の被験者の性別ならびに着衣する実験衣の種類を変更し,体形と衣服の拘束性について,筋電位を用いた生体信号を計測し,衣服と体形と筋負担の対応関係を明らかにするための実験を進める予定である。 また体形に適したサイズと異なるサイズの衣服を着用したときの,日常動作時の筋電位についても計測実験を行い,衣服形態の違いによる衣服の着用疲労感に関する質問紙調査も継続して行う。その結果を基に体形の違いによる筋負担を考慮したパーソナルな衣服設計に必要な事項を整理し,パーソナルファッション設計のシステムの構築に必要な見解をまとめる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
形態の異なる実験衣を購入するとともに,体形を計測するために,3次元計測器の設置されている三重大学への旅費に使用する予定である。また共同研究者との研究打ち合わせ旅費にも使用する予定である。
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Research Products
(6 results)