2012 Fiscal Year Research-status Report
夜間の住宅照明環境実態と生活スタイル・省エネルギー意識から今後の住宅照明を考える
Project/Area Number |
23500911
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
宮本 雅子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (70161916)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國嶋 道子 京都女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (10178014)
石田 享子 奈良女子大学, その他の研究科, 研究員 (90449827)
井上 容子 奈良女子大学, その他部局等, 教授 (70176452)
|
Keywords | LED照明 / 住宅居間 / 使用実験 |
Research Abstract |
はじめに:LED照明技術を住宅照明に応用するために、自宅居間空間において様々な照明環境を体験した上での居住者評価を収集すると共に、技術適用のための可能性を探り居住者評価を得る上での今後の課題を抽出・蓄積することを目的とし、LED照明の使用実験を行った。 実験方法:実験期間は2012年6月~2013年1月の間で1戸当たり約3か月から5か月である。調査住宅は2011年度の住宅照明調査住戸の中から、居間照明に環型の器具を使用し、かつLED照明の設置経験がない住戸(11戸32名)を本実験の主な対象とした。初期環境(普段の照明環境)においてアンケートに回答したのち、居間空間の主要な照明器具を全てLEDに取り替え、初期条件の照明環境と同じ明るさ、色温度になるように設定した。調査内容は、行為時の明るさ満足度、室の雰囲気評価、照明器具の評価、総合評価等22項目である。また、実験期間中は定期的に唾液アミラーゼの測定を行う。唾液アミラーゼの測定には唾液アミラーゼモニター(ニプロ製)を使用した。 結果: LED照明に対する評価については、①照明環境評価:「変化なし」が最も多いが、LED照明環境に対する評価は初期環境に劣らないという結果を得た。②直前の環境と比較した好き嫌い評価: LEDの方が好ましいと感じる人が多い。③「会話をする」際の明るさ感満足度:初期環境と同等に設定したLED照明環境の明るさ感満足度はほぼ変化しないといえる。唾液アミラーゼ測定値については、初期環境の唾液アミラーゼ値を0とした場合の唾液アミラーゼの値の変化率をみると、今回の実験では、測定値の変化は個人差が大きくLED照明を使用することによる唾液アミラーゼ値の顕著な変化は認められなかった。 まとめ:LED照明に対する心理的評価は従来照明に比べて劣らないことが明らかとなった。唾液アミラーゼによる生理量の変化はほとんど認められなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2011年度は、住宅の照明環境の実態調査を行い、240件のデータを得ることができ、その成果は、日本建築学会、照明学会、日中韓照明カンファレンスで発表済みである。 2012年度は、2011年度の実態調査の協力住宅のうちモニター調査の対象住宅を抽出し、協力得た。その結果については、日本建築学会にて発表予定である。モニター調査については当初、電球型LEDランプのみの使用を考えていたが、LEDシーリングライトおよび電球型LEDランプの使用実験により、現状照明とLED照明の比較がより正確にできたことから、当初の予定よりも、実験内容が進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
2013年度は、2011年度に行った調査対象住宅への追跡調査を行い、過去2年間の住宅照明環境の変化および住宅照明に関する意識の変化について調査する。また、新たに200人程度から、同様のアンケートをとり、2年前の調査対象群と新たな調査対象群との意識の違いについて検討する。 2011~2013年度の結果を総合し、住宅の照明環境の実態と生活スタイル・省エネルギー意識の関わりを明らかにするとともに、これからの住宅の照明環境について提案する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アンケート調査協力者への謝礼および、アンケート結果の整理のためのアルバイト料、昨年度の結果の口頭発表のための旅費および2011年度の結果を論文として投稿するための経費として主に使用する。
|
Research Products
(1 results)