2013 Fiscal Year Annual Research Report
ハーブポリフェノールの酸化的変化‐酸化物の新機能と安全性の検証
Project/Area Number |
23500929
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
増田 俊哉 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部, 教授 (10219339)
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Keywords | 酸化ポリフューノール / キサンチンオキシダーゼ / カフェ酸 |
Research Abstract |
前年度の研究成果として,ハーブ由来ポリフェノール酸化物のキサンチンオキシダーゼ阻害活性スクリニングによって顕著な活性が認められたカフェ酸の酸化酸化物中の活性本体の特定を行った。なお,キサンチンオキシダーゼ阻害活性は,最近急増している痛風や高尿酸血症の軽減に関与する重要な機能である。カフェ酸を鉄イオン触媒下で空気酸化し,調製した酸化物(混合物)を分子量サイズで分離できるSECを行い,得られたフラクションの中から,活性測定結果に従って,2つのフラクションを選び出し,それを逆相カラムを用いたHPLCで分析し,また検出ピークを分取した。4種の化合物の分取に成功したが,そのうち一種(Cafox-1と命名)に,顕著な阻害活性を認めた。この物質の化学構造をNMRやMS分析法を用いて推定したところ,特異なナフタレンラクトン構造を有する物質であることが推定された。また,推定した化学構造は,1,2,4-メトキシベンゼンから全合成により最終的な確認を行った。Cafox-1のキサンチンオキシダーゼ阻害活性は,IC50にして60 nMと非常に強く,痛風の市販薬であるアロプリノールの20倍近い活性を示した。この結果は学術誌に報告を計画中とともに,合成法を特許出願することができ,本基盤研究の目的を達成した。それ以外にハーブポリフェノール酸化物の構造と機能として,抗酸化性の増強効果や,食肉色素ミオグロビンの酸化還元に関する機能を見いだし,申請時の達成目的を超える成果を得ることができた。
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